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2009年01月30日(金)更新

売上5倍のチラシの秘密

こんにちは。
マーケティング・トルネードの一條です。

弊社は名古屋に本拠地があるのですが、名古屋でも寒い日が続いています。
かと思えば、ポカポカの日もあったり。

寒暖の差が大きい地域にお住まいの方もいらっしゃると思います。
まずはご自愛ください。

さて、今日のコラムです。

今日は、前回の続きをお話しすると書きました。
前回お話ししたのは、『売上アップするための突破口』の見つけ方でした。
具体的に言うと

・すでに御社の商品やサービスを買ってくれているお客さんに、

・直接会って、もしくは電話で直接話して、

・なぜそのお客さんが、御社から商品やサービスを買ったのかを、
 じっくり聞く。

こうすることで、御社の売上を増やしたり、お客さんを増やしたりする
大きなヒントが見つかるという話です。

では、実際にこの取り組みを行うとどのようなことが起こるのか。
今回は、実際にこの取り組みをした企業さんの例をお話しします。

業種を問わず、「自分だったらどうかな?」と考えて頂くと、良いヒントに
なるはずです。


■「私たちは」から「私は」へ

地方都市で創業したばかりのリフォーム屋さんからコンサルティングを
依頼されたことがあります。
営業から工事まで、社長さんがひとりでされているリフォーム屋さんでした。

創業してまだ2年。
社長さんからすると、お客を集めるために必要な要素が足りません。

・やっぱりリフォームを依頼してもらうには、社員さんが何人もいる
 会社じゃないといけないはず。でも、うちは自分ひとりきり・・・
・リフォームを依頼してもらうには、ちゃんとしたオフィスを
 持っていないといけないはず。でも、うちは自宅が事務所を兼ねている・・・
・信頼されるためには、もう何年も事業を続けていなければならないはず。
 でも、うちはまだ創業2年・・・

それでも、受注を取らなければなりません。
だから、自分のデメリットを隠して、ちゃんとした会社に見えるように、
装うわけです。
集客のツールは、折込みチラシだけでしたので、チラシで大きな会社を
装います。

・本当は1人しかいない会社なのに、チラシには「私たちが」と複数形で書く。
・自宅を兼ねている事務所の写真は載せられないから、施工現場の
 写真しか載せません。
・自社の社歴ではなく、外注の大工さんの経歴を使って、「弊社は
 創業30年の大工技術を持っています」と書く。

しかし、思うように受注がとれない。
このままではどんどんジリ貧になっていく・・・。
そこで、お客さんに「なぜ、自社から買ってくれたのかを聞いてみる
取り組み」をしたのです。

最初はおそるおそる聞いてみました。
「なぜ、他社さんではなくうちだったんですか?」

すると、意外な答えが返ってくる。
お客さんは、「それはあなたがひとりでやってるからですよ」と言うのです。

どういうことか分からず、根掘り葉堀り聞いてみたところ、お客さんの
理由はこうでした。

・ひとりで営業から工事までやっているから、営業マンに言ったことが
 現場に伝わらないということがない。
・何か相談をした時に「上司に聞いてみますね」と、はぐらかされることがない
・自宅も分かっているので、何か問題があっても逃げられたりしないという
 安心感がある
・費用についても担当者が社長なので、即断即決してもらえる

何人ものお客さんが、口をそろえたように同じ理由を言うのです。
そうであれば、この理由をチラシに書けば、お客さんはもっと集まるはずです。

でも、今まで「私たちが」と言ってきた会社です。
今さら「実は、私、ひとりでやってます」と言うのは怖い。
当然です。

しかし、このリフォーム屋さんは、チラシの内容を変えました。

「私はひとりでやっています。
 だから、営業マンに言ったことが現場に伝わらないということがありません。
 何か相談を頂いた時に『上司に聞いてみますね』とはぐらかすこともありません。
 生まれも育ちも、地元です。自宅が事務所ですので、逃げも隠れも出来ません。
 費用もその場で、白黒はっきり決断することが出来ます」

チラシにこの内容を反映させて配った結果、どうなったか?

たった半年で、前年の5倍の売上を達成することになりました。


これはコンサルタントとしての私の想いですが、どんな会社さんにも、
すでに御社の商品やサービスを購入して下さっているお客さんに、
その理由を徹底的に根堀り葉堀り、聞いて頂きたい。

・今、業績が上がっているのであれば、それをさらに伸ばす方法が分かるからです。
・今、業績が落ち込みかけているのであれば、そこから脱出するヒントが
 手に入るからです。
・今、苦しい状況にあるなら、そこから浮き上がるきっかけが見つかるからです。

コストはかかりません。しかし、効果は絶大。
是非、試してみてください。

さて、そろそろ今回のコラムを終わろうと思います。
次回は、新規事業の立ち上げ方についてお話ししようと思います。
それでは次回、また、この場所でお会いしましょう。

株式会社マーケティング・トルネード
一條仁志



過去の掲載記事
2009年1月7日 『売上アップの扉を開ける『マスターキー』』 執筆者:一條仁志

2009年01月23日(金)更新

インターネットの落とし穴

こんにちは。
マーケティング・トルネードの巽です。

さて、今日は前回の続きです。
インターネットには、他の手段や媒体とは、大きく異なる特性が
あるとお話ししましたが、みなさんは何だと思われますか?

先に答えを言ってしまうと、「何でもできてしまう」という性質なのです。

「なんのこっちゃ?」と、拍子抜けされた方もいるかもしれませんが、
実は、これが色々とやっかいな問題を引き起こすのです。

例えば、ホームページでの集客に悩む方に、
そもそもホームページを作った目的をうかがうと、

「そりゃ、会社の事を知ってもらって、
 注文をしてもらうために決まってるじゃないですか」

と真顔でお答えになります。けれども、

「では、まだ見ぬお客さんは、どんな経路で御社のサイトの存在を知り、
どんな条件がそろうことで注文に至るのでしょう?」

と聞いてみると、途端に浮かない顔をされる方が多いのです。

つまり、「大きな目標や期待」はあるものの、
それらを実現するための「小さな手段」が曖昧なまま運用されているケースが
圧倒的に多いのです。

これがオフラインでの取り組みであったなら、
チラシの反応がまずかった時点で、何らかの手を打ち始めることでしょう。
マーケティングプロセス全体の中で、どの部分の流れがスムーズではないのかが、
分かりやすいからです。

しかし、これがインターネットになると、どの部分に手を入れればいいのか、
的確に判断できる会社さんはまだまだ少数です。
様々な役割を持たせられるインターネットならではの悩みと言えるかも知れません。

その結果、どこを改善すべきなのかはっきりしないまま、
なんとなくリニューアルを繰り返す会社さんが多いのです。

こうした状況から抜け出すには、どうすればよいのでしょうか?
それには、まずはサイトに担わせる役割を明確に決めることです。
慣れないうちは、その役割は1つ。
それも、できるだけシンプルな方がよいでしょう。

例えば、チラシの情報の補完をすることだけを当初の目的にしてみる。
現場見学会のチラシを3万枚配っているのなら、
当日の見どころを詳細に説明したサイトがあることをチラシに掲載しておく。

あなたが動画で話している姿を掲載してもいいし、
デジカメの写真を手当たり次第に貼るだけでも良いんです。
別に、「いかにも企業のホームページ」みたく、小奇麗なデザインにする必要はありません。

なぜなら、「信頼を持っていただく」「安心感を持っていただく」という役割は、
また次のステップで実装すればよいのですから。
(次に何をすればよいかは、実は、閲覧者が教えてくれることになるのです。)


仮に来場者が5人だったとしても、50人がサイトを見に来てくれていたのだとしたら、
次の一手を考えるのが楽しくなってきませんか?

そうした小さな成功の積み重ねが、モチベーションを長く保つ秘訣であるとともに、
ホームページを大きく育てるきっかけになります。

幸いなことに、インターネットの世界は、
あらゆる結果を数字として残すことができます。
あなたがホームページを運営する目的は何でしょうか?
今一度、ご検討いただければ幸いです。

では、また次回お会いしましょう。


株式会社マーケティング・トルネード
巽 大平

2009年01月15日(木)更新

広告を見直す「別の方法」

こんにちは。
マーケティング・トルネードの佐藤です。

今日は広告の話です。
少し変わった話ですが、こうした考え方を知っておくのも
良いと思ってお話ししてみます。

さて、誰もが売上を上げたいと願います。
だからこそ、世の中の顧客に対して、自社のサービスや
商品をアピールしていく。
そうした行為のことを「営業活動」とか「広告宣伝活動」とかいうふうに
呼んだりもします。

・営業マンを使って新規訪問を繰り返して世に広めようとする。
・マスコミに取り上げてもらえるように働きかける。
・新聞広告でセミナーを告知して人を集める。
・屋外立て看板を設置して地元に知ってもらう。
・イベントを開催して集客する。
・新聞折り込みチラシで広く告知をする。
・テレビCMを制作して放送してもらう。

これらは、すべて冒頭に書いた通り、「世の中の顧客に対して、
自社のサービスや商品をアピールしていく行為」という部分で「仲間」です。

もうひとつ「仲間」である要素があります。
それはタダじゃないということです。
人件費であったり、媒体費だったり、印刷費だったり、名前は違いますが、
コストがかかるのには違いありません。

結局のところ、お金(コスト)をかけてアピールをする。
そしてコスト以上のお金を回収し、利益を出すのが目的です。
つまり儲けるための投資というわけです。

何が言いたいのかというと、「どうせ儲けるための投資」をしていく
のなら、さまざまな観点から、定期的に見直しをして欲しいという話です。


「見直せって言っても、もうやってるよ」
と言われてしまうかも知れないですね。


確かに、【新聞広告に140万円を投じて、来店10人】で散々な目に
あったというレストランもあります。
儲かったのは新聞社と、広告代理店だけ・・・。
そんな話もゴロゴロ転がっています。
見直すっていっても、やれるだけの事はやったよと、皆が言います。


だからといって、打つ手が無いと考えるのは早計なのです。

広告を見直すコツには、2種類あるからです。
一つ目は、広告の反響率をアップさせるための見直しです。
ほとんど99%の会社は、その方向性で広告を見直そうとします。

しかし、別の方向性もあるのです。
「広告の反響は、今のままでも、十分に利益が出せるような仕掛けを
考えられないか?」という方向性で見直すのです。


例えばですね、
「チラシをタクシーに仕掛けた。1500枚に1件の電話があった」
それを1000枚に1件の高反応に引き上げたい。これが前者の方向性です。
そうではなくて、チラシの反響率が1500枚に1件から、
2000枚に1件と落ちても、利益が出せるようにするためには、
どんなアイデアがあるか?
これが後者であり、そうした方向性で考えてみるのも「アリ」なのです。

例えば、中古車販売の会社があったとします。その会社が広告を出しました。
30万円の広告を出して、5件の問い合わせがありました。

この場合、最低でも、5件で30万円の利益を出せなければ赤字です。
ところが、現実には5件で25万円しか利益が出せていないとします。

さて、あなたならどうしますか?

ここで仮に、広告の反響を上げる検討をするのは禁止するとします。
つまり、今の反響の範囲でビジネスをやっていくのが決まりだとすると、
どうすれば良いんでしょうか?


中古車販売会社が、自動車保険を売るのはどうでしょうか?
車は売れなくても、顧客が乗ってきた車の保険だけでも
スイッチさせられないでしょうか。

自動車以外のリサイクルビジネスは出来ませんか?
部品は売れませんか?

広告の反響をアップさせるのが難しくても、少ない顧客から最大の利益を
あげられないかと、いろいろと知恵を絞ってみて欲しいのです。


例えば、リフォームの業界でも同じです。

A社は、住宅リフォーム会社で、経営が立ちゆかないと
苦しんでいる会社です。B社も、住宅リフォーム会社ですが、
保険も、家具リサイクルも、看板設置ビジネスも、と手がけている会社です。

さて、ここに10000枚配れば1件は電話がかかってくるという
チラシがあります。
「あっ、それ、興味あります!」と手を上げるのは、
A、Bどちらの社長かは明らかです。

ただ何となく、数カ月の間、広告の反響率をアップさせる改善策を
試行錯誤するのも良いでしょう。
しかし、もしかしたら数カ月もあれば、こうした別の見直しが
完成していたかも知れないのです。

今回は、少し変わった考え方かも知れませんが、
こうした考え方もあるということを知っておくのも良いと思って
お話ししてみました。


ではまた。次回

株式会社マーケティング・トルネード
代表取締役
署名

2009年01月07日(水)更新

売上アップの扉を開ける『マスターキー』

あけましておめでとうございます。
マーケティング・トルネードの一條です。

先月から始まった弊社のコンサルタント3人によるリレーコラム。

先月17日の弊社の佐藤のコラムでは、
『既存の顧客を、ライバル会社よりも、細かいディテールまで、
 良く理解することが出来れば、顧客を探すのが上手になれる』
というお話をしてきました。

12月24日の巽のコラムでは、
『中小企業のインターネットへのチャレンジを難しくしている要因』
についてご紹介しました。

これらのコラムから、すでに業績アップのヒントを
つかまれた方もいらっしゃるかも知れません。

私のコラムでも、何らかのヒントをつかんで頂ければとてもうれしい。
そう思って ≪気合い≫ を入れてます。
どうぞお付き合いください。

さて、私のコラム第一回目。
テーマは、『 既存の事業を上昇気流に乗せる方法 』です。

実は昨年末から、

・既存事業の売上が下がった。
・お客が減った。

という理由でコンサルティングの依頼を受けることが続いています。

同じ悩みを持たれている社長さんがいらっしゃるのであれば、
ぜひ、参考にしてもらいたい。
そう思って書きます。


まず、売上が下がると利益も下がることがほとんどです。

一方で、固定費は変わらない。
スタッフさん、社員さんの生活も心配だから、人件費もカットできない。
だから何とか売上を上げなければ・・・。

その気持ちもとてもよくわかります。

では、どうすればいいのか?

ズバリ言います。

こんなときだからこそ、やみくもに新規事業に手を出すのではなく、
じっくり腰をすえて、目の前にある既存の事業を見直してもらいたいのです。

もちろん、悠長に時間をかけている暇はありません。

だから、時間はかけずに、でも、じっくりと腰をすえるのです。

具体的には、『ある人に対して』、『あるやり方で』、『ある取り組み』を
していきます。


 ■誰に対して?(Who)
   → 『すでに御社の商品やサービスを買ってくれているお客さんに』

 ■どんなやり方で?(How)
   → 『直接会って、もしくは電話で直接話して』

 ■どんな取り組みを?(What)
   → 『なぜそのお客さんが、御社から商品やサービスを買ったのかを、
      じっくり聞く』


という取り組みです。


とても大切なことなので、もう一度繰り返します。


 ■Who: すでに御社の商品やサービスを買ってくれているお客さんに、
 ■How: 直接会って、もしくは電話で直接話して、
 ■What: なぜそのお客さんが、御社から商品やサービスを買ったのかを、
       じっくり聞く。

是非、この取り組みをしてもらいたいのです。



「そんなことしなくても理由なんて、だいたい分かってるよ・・・」

という声が聞こえてきそうです。

しかし、私の経験上、この理由をスパッと答えられる会社さんは、
間違いなく業績アップを続けていらっしゃいます。


「他社でも同じような商品(サービス)があるにも関わらず、
 なぜ、御社だったのか?」
「去年でも、来年でもよかったにも関わらず、なぜ、今だったのか?」

もし御社が今、この質問にスパッと答えられないのであれば、
今すぐ、お客さんに聞いてみて下さい。

この時、質問する相手は、すでに御社の商品やサービスを
購入してくれているお客さんにすることを忘れずに。

背景にある理論は割愛しますが、人は自分がお金を払ったものに対して、
「ダメだ」という評価を下すことは、ほぼありません。

もちろん、聞きはじめは、「ここが気に入らないんだよね」とか、
「ここがもう少しこうだったらいいんだけどね」とかいう
コメントから入るお客さんもいるでしょう。
しかし、根気強く聞いていけば、同じお客さんが最後には
「うん、でも、まぁ、買って良かったと思ってるんだよね」という
コメントに落ち着きます。

それが人の心の仕組みだからです。

仮にこれまで、「お客さんにインタビューしてみたけど、
ずっとダメ出しのコメントしかもらえなかった」というのであれば、
あともう少しだけ、じっくり聞けばいいだけなのです。

だから、すでに御社の商品やサービスを購入して下さっているお客さんに、
徹底的に根堀り葉堀り、聞いてほしい。

実際に聞くべき質問はふたつです。

 質問1.「他にも同じような商品(サービス)があるにも関わらず、
      なぜ、弊社からお買い上げ頂いたのですか?」

 質問2.「去年でも、来年でもよかったにも関わらず、
      なぜ、今だったのですか?」


お客さんからの答えの中には、必ず、「はっは~ん、そういうことか!」
という部分が出てきます。

・商品を告知するのに最適な販促手法
・お客さんに商品を説明する時に最も効果的なトーク
・最も申し込みしてもらいやすいタイミング
・リピートしてもらうための、具体的な案内の仕方 などなど。

ちゃんと聞き出せれば、これらのヒントが手に入る。
これこそが、突破口。
売上アップ、業績アップの扉を開ける『マスターキー』なのです。

お客さんに質問するのに多くの時間はかかりません。
3人のお客さんに聞いたとしても、合計1日もあれば十分です。

なのに効果は絶大。

悪いことは言いません。
やみくもに新規事業に手をつける前に。
右往左往して手遅れになる前に。

まず、この質問から突破口を見つけて頂きたい。

心からそう思っています。



さて、そろそろ第1回目のコラムを終わろうと思います。

今日はここまで、既存の事業が下火になってきたときの
取り組み方を書いてきました。
次回のコラムでは、実際にこの取り組みをした企業さんの
ケーススタディーをお話ししようと思います。

もうひとつ。
今回、やみくもに手を出すべきではないとお話しした新規事業には、
実はコツがあります。
既存事業が上昇気流に乗り、新規事業も立ち上がれば、
こんなに心強いことはありません。

そこで、次々回のコラムでは、新規事業の立ち上げ方についても、お話しします。

今回の進行の都合上、割愛した心理的な背景などについても
追い追いご紹介していきます。
ご興味がある方は、こちらも楽しみにして頂ければうれしいです。

それでは今年も、御社にとって良い年になるように。
良い年にするように、頑張っていきましょう。
また次回、この場所でお会いできることを楽しみにしています。

株式会社マーケティング・トルネード
一條仁志




過去の掲載記事

2008年12月17日 『業績アップの「直球勝負」』 執筆者:佐藤昌弘

2008年12月24日 『ネットが難しくなる理由』 執筆者:巽 大平