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2009年04月28日(火)更新

わらしべマーケティングのススメ。

こんにちは。
マーケティング・トルネードの一條です。

いたるところで、色とりどりの花が、キレイに咲いています。
「咲き誇る」とは、うまいこと言ったものですね。

さて、最近の私は、今まで通り売上アップや集客アップのご相談に
お答えすることはもちろん、書籍の出版や、既刊本の販促に携わる
ことも増えてきています。

今日は、その視点から、「本を売る」という取り組みの中にある
ビジネスのヒントについて、お話ししてみようと思います。

これから本を書きたい方にも、すでに本を書いておられる方にも、
そして、本の出版に興味がない方にも、お役立て頂けると思います。

■「なるべく多く売れて欲しい!」

さっそくですが、ひとつ、想像してみて下さい。
もし仮に、あなたが本を書いたとして、
その本が出版される時、あなたは何を思うでしょうか?


おそらくほとんどの方が、「なるべく多く売れて欲しい」と思うはずです。


本を売るために、インターネットの本屋さん『アマゾン』で総合売上
ランキング1位を狙う紹介キャンペーンをする人がいるかも知れません。
そのために、お金を払って、アマゾンのトップページにも広告を出す人もいます。


しかし、です。

そうして多くの広告費をかけたり、紹介キャンペーンに力を入れたとしても、
あなたの本がアマゾンの総合売上ランキング1位になるとは限りません。

例えば、あなたの本の発売が、「ハリー・ポッター」の最新刊の発売と重なった
としたら、おそらく、売上総合ランキングの1位はハリー・ポッターになるでしょう。

その他にも、旬の話題の本が発売されれば、あなたの本が売上ランキングの
上位に入ることは難しくなる。

つまり、お金をかけたのに、成果が手に入らない状態です。
こんな時、どうすればいいのか?

私は「わらしべマーケティング」をお勧めしています。


■わらしべマーケティングのススメ。

「わらしべマーケティング? なんだそれ?」
と思われた方も多いと思います。
少し、説明させて下さいね。

「わらしべマーケティング」のわらしべとは、昔話の「わらしべ長者」が語源です。
(と言いつつ、これ、弊社内での造語です。すみません(笑))

わらしべ長者の主人公は、1本のワラを元手に、それをアブに換え、
ミカンに換え、(中略)そして最後には、大きなお屋敷に換えました。

「わらしべマーケティング」とは、最初に小さな元手を手に入れて、
それを大きく育てる取り組みをしましょうということなのです。


先ほどお話しした本の販促であれば、アマゾンで総合売上ランキング1位を取る
ためには、多くの時間と労力、費用がかかる。

では、時間、労力、費用が最少で、本の販促に役立つことはないのか。

例えば、地元の書店に挨拶に行くことを思いついた人もいるかも知れません。
「この本、私が書いたんですけど、私、この近所なんです。ご近所のよしみで
このお店で目立つ場所に置いて頂けませんか?」と挨拶に行くのです。

そもそも、本の著者さんが地元のローカル書店に挨拶に訪れることはほとんど
ありません。
書店さんからすると、著者さんがわざわざ挨拶に来てくれたというのは、
とてもうれしいことなのです。

その結果、その書店で大きく取り扱ってもらうことができれば、その書店での
週間売上ランキングに入るかも知れません。

そうであればその結果を、地元にある大手書店のチェーン店に持っていく。
その結果をまたその書店チェーンの首都圏の店舗に持っていって・・・。

このような取り組みを続けることで、アマゾンで総合売上ランキング1位を取る
のと同じか、それ以上の数の本が売れることになるかも知れません。

もちろん、広告費を使って、アマゾンの総合ランキング1位を狙う取り組みを
するのもいいでしょう。

その場合には、総合1位が取れなかったとしても、最低でも部門ランキングには
入るように考えておくのです。

実際、アマゾンの総合売上ランキングは、小説からビジネス書、文芸書、新書まで、
ありとあらゆる本が対象になるので、この中で1位をとるのは至難のわざですが、
細かくカテゴリ分けされた「部門」でランキングに入るのは、そんなに難しいこと
ではありません。

あとは、この成果を持って、また次のワラを手に入れに行く。

こうして、どんどん「ワラ」=「販促に使える材料」を増やしていくのです。


■彼が長者になったワケ

さて、ここまでのお話。
お気づきの方もいらっしゃったかも知れませんが、他のビジネスでも同じです。

「本を売りたい」
「商品を売りたい」
「サービスを売りたい」

そんな時に頼りになるのは、いつだって最初のワラだからです。

私は、あのわらしべ長者が、長者になったのは、最初の一本のワラを
粗末にしなかったからだと思っています。

あなたのビジネスにとっての最初のワラは、すでにあなたの手の中に
あるのかも知れません。

是非、活用してみて下さいね。



マーケティング・トルネード
一條仁志

2009年04月21日(火)更新

見込み客の質を向上させる方法

いつもご愛読ありがとうございます。
マーケティング・トルネードの巽です。


多くの企業ホームページにとって、最終的な出口となるフォームページ。
お問い合わせや見積もり依頼、お申し込みなどがこれに当たりますね。


フォームの最適化を行うことでコンバージョン(申し込みや成約)を
高める取り組みを、EFO(Entry Form Optimization)などと言われたり
することもありますが、それだけフォーム設計の重要性が問われていると
いうことなのでしょう。


さて、ユーザビリティ(操作性や利便性)の観点からすると、

・入力途中でユーザーを迷わせない
・なるべく面倒をかけさせない
・誤解を生じさせない

などの取り組みも大切です。


しかし、それと同じくらい気を遣ってほしいことがあります。

それは、質問項目をもっと増やしてほしいということです。

「え? それって、入力作業の面倒をなくす取り組みとは真逆なのでは?」

あなたがそう思われるのも、無理はありません。

しかし、私たちの経験を信じて頂けるのなら、
ユーザーは、入力作業が面倒だから離脱するわけではないのです。


もう少し説明します。

フォームの改善でよくある間違いが、
「入力項目を出来る限り少なくする」というものです。

ユーザーの負担が減るわけですから、一見、正しい取り組みのように思えます。
事実、入力項目を減らすことで、問い合わせの数は増えます。
けれども、入力項目を削れば削るほど、見込み客の質も低下してしまいます。


では、問い合わせ数を向上しながら、見込み客の質も維持するには、
一体どうすればよいのでしょうか?

実は、それほど難しいことではありません。

「あなたが聞きたいと思っていること」を聞くのではなく、
「ユーザーが伝えたいと思っていること」を聞いてあげるのです。

年齢や年収、家族構成、趣味、買い替え時期などの情報は、あなたが聞きたい
情報であって、ユーザーが答えたい情報ではありません(ついでに申し上げると、
そうした情報は役に立たないことが多いです)。

しかし、

・なぜこの商品に関心があるのか
・なぜ今のタイミングなのか
・どのような期待を持っているのか、
・どのような悩みを抱いているのか?

などといった類の質問は、ユーザーがあなたに知っておいてほしい情報なのです。


あなたが家や車を買おうかどうか迷っている時、
年収や家族構成などを聞かれても答える気にはなれないでしょう。

しかし、何も質問してくれなかったとしたら、それはそれで不安ではありませんか?

「この人は、本当に私の望むものを提供しようとしてくれているのかしら?」と。


ホームページでも同じなのです。

「あぁ、この人はちゃんと私のことを気遣ってくれている」
「ちゃんと私の事をわかってくれようとしてくれている」

そのことが、フォーム上から感じられなければならないのです。

フォーム画面は、あなたとユーザーが初めてコミュニケーションを行う場です。

あなたのホームページに掲載されているフォームは、
適切な質問が設けられているでしょうか?




株式会社マーケティングトルネード
巽大平

2009年04月14日(火)更新

「お客さんは誰か?」を理解するということ

こんにちは。マーケティング・トルネードの佐藤昌弘です。

私は、集客やセールスの分野における専門家として、
理論だけではなく、実務レベルでお手伝いをするのが仕事です。

最終的なアウトプットとしては、具体的にいえば、ホームページの
リニューアルや、チラシの添削、新聞広告や、道路看板などの
デザインや大きさにまでアドバイスをしていきます。

集客やセールス分野においては、抽象的な方向性だけを示しても、
結果につながらなければ時間も労力もお金ももったいないからです。

さて、そうした日々の仕事の中で、いつも繰り返し経験する
トピックについて、今日はお話しします。

それは、「業績を回復させたい人や、業績を伸ばしたい人にとって、
避けては通れないテーマ」についてです。

クライアント企業さんからの相談はいろいろあります。
次の新商品開発へのアドバイスをください。営業研修をしてください。
集客イベントのチラシにアドバイスください。それこそ千差万別です。

しかし、いつも質問することがあるんです。
それは、「どんな客なのか? 客は誰か?」という質問です。

なぜかといえば、「どんな客なのか? 客は誰か?」ということを
ちゃんと理解することが、とても重要だからにほかなりません。

ここで誤解が生じるわけです。
私が「客は誰か?」という質問の仕方をするからといって、
なるほどね、と思ってはいけないのです。


「なんだそれ? 自分で質問しておいて、そのまま質問に
答えようとするなだと? 何だ、それは?」
とお叱りを受けるのは仕方がありません。だけど本当のことなのです。

これは、私の文章力の無さが原因なのですが、職人さんを相手にすると、
よく生じることなのです。

例えば、お寿司が上手になりたいとします。
そして、その道の専門家へと訊ねたとします。

『お寿司のコツはね、  「どんな魚のネタか」 
を、ちゃんと理解することなんだよねえ』

ひとことで整理して伝えなければならないとか、わかりやすくしないと、
とか、どうしてもこうした場合には、言葉足らずにならざるを得ないのです。
私の場合には、特にそうです。


ですから、専門家にそう言われても、
「はいはい、わかりました」とは、言っちゃいけないと思うのです。

それだけで終わらずに、
「どんな魚のネタかを理解するって、どういうことですか?」
と根ほり葉ほり、突き詰めていくと、ようやく詳しく教えて
もらえたりするからです。


そうでもしないと、大事なところをわからないまま、
つい、言葉通り受け取って、わかったつもりになっちゃうのです。


そこで、私も自問自答をしてみることにしました。

『「どんな客なのか? 客は誰か?」ということをちゃんと理解すること』
とは、なにか?
「どんな客か」「客は誰か?」とは、どういうことなのか?


具体的なケーススタディで説明しましょう。
たとえば、私の場合であれば、ビジネス教材を販売していたりもします。
「凡人が最強営業マンに変わるセールスセミナーDVD」という
セールス実演DVDを販売していたりします。

そこで質問をするわけです。
「営業ノウハウDVDの教材を買われる人は、どんな客なのか?」
という質問です。

もちろん、これにはいろんな答え方があると思います。


1.「3か月、営業成績がタコ(0件)を打ち、
4か月目に突入しようとして、
   いよいよせっぱつまってきている営業マン」

2.「社長業として営業活動もしている人」

3.「営業で売上に悩んでいる営業マン」

どれも本当ではあります。間違いではありません。
しかし、マーケティング的に役立つ答え方として適切なのは、
1番なのです。

2番も3番も、答えは、正しいのかも知れないが、マーケティング的には
役立たない可能性が高いのです。

1番をご覧ください。
お客さんを語る言葉のなかに、消費の動機が語られていることが
おわかり頂けると思います。

「3か月連続で成績タコになり、せっぱつまった」のは、
確かに何らかの行動を起こすに十分な動機を感じさせませんか?

こういうのが、「顧客とは誰か?」と考えたときの、ちゃんとした
答えだと思うのです。
購入動機と一緒にお客さんをイメージするのは、極めて大事なことです。
ぜひ、ご参考にして頂ければ幸いです。



株式会社マーケティング・トルネード
代表取締役
satou

2009年04月07日(火)更新

来店型ビジネスが、チラシの反応率を上げる方法

こんにちは。
マーケティング・トルネードの一條です。

ここ、名古屋ではすっかり桜が満開。
弊社の窓からは、いたるところにやわらかなピンクのかたまりが見受けられます。


すっかり春、ですね。


さて、今日は来店型ビジネスのチラシの反応率を上げる方法について、
お話しすることにします。

というのも、チラシを前にして、「う~~~~んんんんん」
と悩んでいらっしゃる社長さんを見る機会が続いたからなんですね。

特に、来店型のビジネスをしていらっしゃる方にはお役に立てるはず。
それでは早速始めましょう。


■考えれば考えるほど、分からなく・・・


社長さんが自社のチラシを前にして、「う~~~~んんんんん」と悩む。

その理由はいろいろです。

例えば、ある社長さんは「チラシのキャッチコピーはどうすればいいか?」と
相談してこられます。
ある方は、「チラシに書く内容は、どうすればいいか?」と相談してこられます。
ある方は、「チラシの色はどうすれば?」と相談してこられます。


皆さん、勉強熱心な社長さんばかり。
それこそ、広告代理店の方以上に勉強していらっしゃる方もおられます。

しかし、皆さん、揃って、「う~~~~んんんんん」と唸ってしまう。

チラシのことを考えれば考えるほど、何が良いのか分からなくなるのです。


では、こんな時、どうすればいいのでしょう?

あなたが来店型のビジネスをされているなら、
とても簡単な打開策があります。

お客さまに、たったひとつ、「質問」を投げかけるのです。


そもそも、お客さまがあなたのお店に来る来店型ビジネスでは、

【チラシ】=【お客さまをお店に連れてくるためのツール】です。


ということは、チラシを見て、来店されたお客さまは、
「チラシの内容のどこかに興味を持ったから」来店したということになります。

だったら、お客さまに、興味を持った部分を聞いてしまえばいい。
とても単純な解決策なので、「な~んだ」と思われたかも知れませんが、
やってみたことのある方も驚くほど、少ない。

しかし、効果はお墨付きです。


お客さまへの質問は次の通りです。

「今回はこのチラシをご覧になって、ご来店頂いたわけなのですが、
 このチラシのどの部分を見て、ご来店されることにされたのですか?」


この質問をお客さまが来店された際に聞いてみて下さい。

思ってもいなかった部分を指摘されることに驚かれるかも知れません。


例えばある薬局では、チラシの片隅に、ちいさーく書いてあった
「既存のお客さまからの質問」が、
一番注目を集めていたと分かったこともあります。

大きく目立つように書かれている部分が、興味を持たれているとは限りません。
小さく、小さく書いてある部分がきっかけで、お客さまが来店してくれていた
というケースは本当に多いのです。


■チラシの反応率を上げる、ネクストステップ


こうして、お客さまがチラシのどの部分に興味を持っていたのかが
わかった後は、次のステップです。

次のチラシを作る時に、前回のチラシでお客さまが興味を示していた部分を
大きく目立たせるのです。


ひょっとしたら、お客さまが興味を持った部分がキャッチコピーに
なるかも知れません。


いずれにしても、前回のチラシでお客さまが興味を持った部分を
大きくするだけで、チラシへの反応率は上がります。


そしてまた、2回目のチラシを見て来店された方に、
「どの部分に興味を持ったのか」を聞いていく。


とても地道な取り組みのように思えますが、かかる費用は、タダ。無料、ゼロ円。

なのに、社長がひとりでうんうん唸って考えるチラシよりも、
格段に反応率の高いチラシが手に入る。


チラシのキャッチコピーや内容でお悩みであれば、
是非、試してみて頂きたいと思います。


■質問の順番は?

さて、最後にひとつ。
この取り組みをする際には、次の順番で、お客さまに言葉をかけてみて下さい。

1.「今回、このチラシを見てご来店頂いたわけなのですが」

2.「このチラシのどの部分を見て、ご来店されることにされたのですか?」


詳しい理論は割愛しますが、この順番には、人間なら誰しもが持っている
『一貫性の法則』という心理法則が使われています。

この順番で、この質問をすることで、お客さまからの本音を
引き出しやすくなるのですね。


質問の際には、チラシの実物を見せながら質問することも忘れずに。

是非、良いヒントを手に入れて下さいね。



ではまた。
次回、この場所でお会いしましょう。


マーケティング・トルネード
一條仁志




(追記)
文中でご紹介した『一貫性の法則』をもう少し掘り下げて知りたい
という方には、下記の2冊がお勧めです。

ご興味があれば、是非、どうぞ。


●『影響力の武器』(著:ロバート・B・チャルディーニ 誠信書房刊)
●『凡人が最強営業マンになる魔法のセールストーク』 (著:佐藤昌弘 日本実業出版社刊)