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2009年05月26日(火)更新

お客を振り向かせる「プロフィール」

会社の、社長のプロフィールひとつで、売上が変わる。

「えー! そんなことあるの???」

と思われるかも知れませんが、実は、本当のことなのです。


こんにちは。マーケティング・トルネードの一條です。

今日は御社の、そして社長さんのプロフィールについてシェアしたいと思います。
お客を振り向かせるプロフィールとは、どんなものなのか?
それでは早速始めましょう。


■どんなビジネスにも当てはまる「○○適格性」

先日、とある出版社の社長さんとお話しをする機会がありました。

おのずと本の出版について話すことになったのですが、
彼が面白い言葉を使うのですね。

それは、「著者適格性」という言葉です。


聞きなれない言葉ですが、私なりの言葉にすると、
「その著者に本を書いてもらいたいと思うかどうか?」
ということのようです。

本というのは、もちろん、テーマがあり、その中で、著者は、独自のノウハウ
や事例を披露していきますが、彼が言うには、本の企画を進めるためには、
その「テーマ」について、その人に話をしてもらいたいと思うかどうかが、
大切だというのですね。


それを見極めるために彼はまず、著者候補のプロフィールを見るのだそうです。

例えば、「女性スタッフのモチベーションを上げる言葉のかけ方」
というテーマを、あるコンサルタントが本にするケースを考えてみます。

この時、下記ふたつのプロフィールがあるとします。


プロフィールA:
 一部上場企業のシステム開発に従事したのち、独立。
 システム開発系の経済誌にも掲載多数。
 現在は株式会社○○、株式会社▽▽などの一部上場企業を対象に、
 システム開発のノウハウを提供している。

プロフィールB:
 大手旅行会社に勤務後、独立。
 旅行会社に在籍中は、全社内の女性比率が95%という中、彼女たちと
 共に、カウンターでの接客を行い、店舗の売上を1年で5倍にまで高める。
 現在は、主に女性スタッフ向けに、ストレスのない対面営業法を研修
 などで伝えている。


では、「女性スタッフのモチベーションを上げる言葉のかけ方」という
テーマで本を書くとしたら、どちらのプロフィールの人物が選ばれるでしょうか?


おそらく、プロフィールBだと思うのです。

なぜなら、これまで女性ばかりの職場で働いてきて、しかも目に見える成果
も出している。この人なら、「女性スタッフのモチベーションを上げる
言葉のかけ方」を知っていてもおかしくないと思えるからです。

逆に、プロフィールAでは、この人が女性スタッフのモチベーションを
上げるノウハウを持っているのかどうかが、分からない。
その結果、「この人にお願いしたい」とは思ってもらえないのです。


実は、このふたつのプロフィールは、実在する同一人物のプロフィールです。

にもかかわらず、あるプロフィールを出した時には、「是非、あなたに
お願いしたい!」と言われ、あるプロフィールを出した時には、
「うーん。今回はやめときます」と言われてしまう。


実は、これはどんなビジネスでも起こっていることなんですね。

今、提供している商品が、健康食品であれ、税務サービスであれ、
Tシャツ販売であれ、家具であれ、中古車であれ、プロフィールひとつで
お客さんから声をかけてもらえる機会が激増することもあれば激減することもある。

では、どのようにすれば「お客さんがあなたに声をかけたくなるような
プロフィール」が作れるのか。

手順はふたつです。

まず、自分の、御社の経歴、経験の中で、お客さんから
「この人から買いたい!」と思ってもらえる部分があるとしたら、どこなのか。
それをリストアップしていきます。

これまでの経験、お客さんからのコメント、いろんな要素が出てくるはずです。

次に、そうした部分が出てきたら、それをまとめます。
これが、御社やあなたのプロフィールになるわけです。

もちろん、このプロフィールであなたや御社のすべてを語ることは出来ません。

しかし、プロフィールで大切なのは、あなたや御社のすべてを
語ることではなくて、お客さんに振り向いてもらうこと。

その意味で言えば、このプロセスを経て作ったプロフィールは、十分役に立つのです。


■プロフィールの「用途と目的」

さて、今回は、お客さんに振り向いてもらうためのプロフィールの
作り方について書きました。

「著者適格性」
「健康食品通販適格性」
「税務サービス提供適格性」
「Tシャツ販売提供適格性」
「家具販売提供適格性」
「中古車販売提供適格性」


早い話が、「あなたから、御社から、その商品・サービスを買いたいと
思うかどうか」です。

これを念頭に置いて、御社やあなたのプロフィールを見直してみる。

たったこれだけのことで、問い合わせの件数が増えることに
びっくりされるかも知れません。

実行されている企業さんはまだまだ少ないプロフィールの工夫。
なるほどなぁと思われた方は是非、試してみて下さい。

それではまた次回、この場所でお会いしましょう。



マーケティング・トルネード
一條仁志

2009年05月19日(火)更新

ノーリスクで客単価を2割増やす方法

いつもご購読ありがとうございます。
マーケティング・トルネードの巽です。

最近クライアントになられた企業さんに、
浴槽の修理・補修を専門にされていらっしゃる職人さんがいます。

インターネットを使った集客方法に関するご相談がメインでしたが、
それ以外の悩みもありました。

それは、受注単価の問題です。

というのも、このクライアントさんは、
集客対策から電話受付、工事、代金回収から月々の支払いまで、
あらゆることを一人でこなされていました。

そのため、見込み客や受注件数を増やす取り組みもさることながら、
1件当たりの受注単価を増やすこともまた、大きな課題のひとつだったからです。


たくさんのお客さんに注文はしてもらいたい。
しかし、こなせる数には限りがある。
その結果、どうしても売り上げのアッパーが決まってしまう。
何か手っ取り早く解決できる方法はないだろうか。


実を言うと、こうした悩みは意外と起こりがちで、
「儲かっていないわけじゃないんだけど・・・」という方ほど、
ジレンマを抱えることが多いようです。

実際には様々なアプローチ方法があるものなのですが、
手軽に出来て、それでいて効果の高い方法のひとつに、
クロスセルという手法があります。

クロスセルとは、簡単にいえば「ついでに他のものも買ってもらう取り組み」のこと。

・スーパーのレジ横に並んでいるグミ。
・ゲーム機を購入するときに薦められる2人目用のリモコン。
・携帯電話を買ったときに薦められる液晶保護シート。
・デジカメを買ったときに薦められるメモリーカード。
・新車を購入する際に薦められるガラスコーティング。

などを思い起こしていただければよいと思います。


さて、このクロスセルが成功する確率は、約20%といわれていますが、
成否を分けるポイントは提案するタイミングです。
そのタイミングとは、ズバリ「お金を払おうとしているその瞬間」です。

楽天市場でよくお買い物をされる方は見かける機会も多いかと思いますが、
デジタル家電製品と一緒に売られている「長期延長保証」だって、
典型的なクロスセル商品ですね。

「そのタイミングに提案しなければ、絶対に購入されないもの」
の代表格といってよいかもしれません。


一方、クロスセルの候補となる商品を探す手掛かりは、
現場にヒントが隠されていることが多いものです。

先のクライアントさんの例でいえば、


わたし「ところで、工事の"ついで"にお願いされるようなことって、
何かありませんか?」

クライアントさん「ついで仕事ですか? う~ん、強いて言うなら、
キッチンのドアや扉なんかがありますかねぇ。というのは、どちらも同じ
プラスチック加工素材なので、浴槽の補修工法と同じ技術が使えるんで・・・」
わたし「そうそう。そういうやつですよ」


こんな感じでもって見つかることが多いようです。


手軽に導入できて、効果もあって、なおかつリスクが限りなく少ないクロスセル。
まだもし実践されていなければ、


・同時(またはすぐに)購入されている商品は見当たらないか?
・ついでに買っていただけそうな商品はないか?
・何もなければ、ついで買い用の商品を作れないか?

こんなところから考えてみていただければ幸いです。


追伸:
観光地で発売されている地域限定のお土産などは、
旅行という商品に絡んだ壮大なクロスセルだといっても過言では
ないかもしれませんね。



株式会社マーケティングトルネード
巽大平

2009年05月15日(金)更新

24時間化

登山においては、頂上はひとつしかなくとも、頂上に至るルートは何通りもある。
北側から登っても、いずれ頂上につく。
南側から登っても、いずれ頂上につく。
必要な道具や、景色や苦労は違うだろうが、目指すところは同じである。

それと同じで、ビジネスで成功を収めるにも、
成功に至るルートは、いく通りもあるのだなと感じさせられる。

私は仕事柄、さまざまな営業手法の構築をお手伝いしてきている。
毎回、クライアントさんと試行錯誤しながら構築する仕組みは、
どこかしら目新しさがあって、同じものにはなかなかならない。

それこそ、泥臭い方法から手品みたいな方法まで、
世の中にはさまざまな成功の方法があり得るのだなと、
アドバイスしているのは自分でありながら、我ながら驚く毎日である。


さて、そうした企業さんが業績を上げていく戦略・戦術というのは、
他の企業さんが参考にしてもらえそうなものも、いくつかあるのも事実だ。

そこで、今回は1つの考え方についてご紹介したい。

それは、24時間化についてである。

◆24時間化

24時間化と言われると、ほとんどの人は、「コンビニ」を想像されるようだ。
しかし私は、コンビニエンスストアを経営したらどうか、と言いたいのではない。

「あなたのビジネスの中に、24時間化させることが可能な部分は無いだろうか?」
この発想で事業を冷静に見直し、改良を施すと、業績が上がっていくことが
多いのである。

ここは、「頭のやわらかさ・柔軟さ」が必要とされる。

例えば、私であれば経営コンサルタントである。

そのコンサルティングは24時間提供するわけにはいかない。
では、何なら24時間サービス提供できるだろうか?
そう頭を柔らかくして考えるわけだ。

「ソフトウェアだったら24時間サポートを提供することが可能になるかも知れない。」
「DVD教材であれば、24時間いつでも勉強してもらえるだろう。」

「無料の事例レポートをホームページから、24時間いつでも
 ダウンロード出来るようにしておけば、忙しいビジネスマンも
 情報収集できるのではないだろうか?」

(これらは実際にやってます。ぜひご活用下さい・笑)
http://www.marketingtornado.co.jp/magazine.html?BL



こうして、24時間化できそうな「部分」のアイデアを出していくのである。


じゃ、これをパン屋さんが応用するとしたら、どう考えるか?

「パンの自動販売機を店頭に置いて、夜間は閉店する?」
「携帯ホームページを準備して、明日の焼き立てパン予約を24時間受け付ける?」

こうやって、予算とスキルが許してくれる範囲で、アイデアを出していくのである。

分譲住宅の現地説明会をしている会社だって、アイデア次第である。
「どうする? 24時間現場に誰かが常駐する?」
仮にできても、うまくいかないだろう。
どれだけ都心でも、やはり夜中の来訪者は数が減るからだ。

だからこそ、
「無人でもチラシを取ってもらえるよう、チラシスタンドを現地に置いておく」
だとか、現地看板に、
「24時間の録音テープガイダンスがあります。ぜひ電話で聞いてみて下さい」
だとか、
「防水ボックスに入れたテレビでDVD映像を流しっぱなしにしておく」
だとか。

こうやって、予算とスキルが許してくれる範囲で、
アイデアを出していってみて欲しいのである。

もちろん、業界によっては、すでに24時間化を高度に採用しているところもある。
そうしたところは、やはり大きな結果を出している。

世の中、まだまだ未導入の業界が圧倒的だ。
そうした未開の業界こそ、効果的なのである。

参考にしてもらえれば幸いである。


株式会社マーケティング・トルネード
代表取締役
satou