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2009年05月19日(火)更新

ノーリスクで客単価を2割増やす方法

いつもご購読ありがとうございます。
マーケティング・トルネードの巽です。

最近クライアントになられた企業さんに、
浴槽の修理・補修を専門にされていらっしゃる職人さんがいます。

インターネットを使った集客方法に関するご相談がメインでしたが、
それ以外の悩みもありました。

それは、受注単価の問題です。

というのも、このクライアントさんは、
集客対策から電話受付、工事、代金回収から月々の支払いまで、
あらゆることを一人でこなされていました。

そのため、見込み客や受注件数を増やす取り組みもさることながら、
1件当たりの受注単価を増やすこともまた、大きな課題のひとつだったからです。


たくさんのお客さんに注文はしてもらいたい。
しかし、こなせる数には限りがある。
その結果、どうしても売り上げのアッパーが決まってしまう。
何か手っ取り早く解決できる方法はないだろうか。


実を言うと、こうした悩みは意外と起こりがちで、
「儲かっていないわけじゃないんだけど・・・」という方ほど、
ジレンマを抱えることが多いようです。

実際には様々なアプローチ方法があるものなのですが、
手軽に出来て、それでいて効果の高い方法のひとつに、
クロスセルという手法があります。

クロスセルとは、簡単にいえば「ついでに他のものも買ってもらう取り組み」のこと。

・スーパーのレジ横に並んでいるグミ。
・ゲーム機を購入するときに薦められる2人目用のリモコン。
・携帯電話を買ったときに薦められる液晶保護シート。
・デジカメを買ったときに薦められるメモリーカード。
・新車を購入する際に薦められるガラスコーティング。

などを思い起こしていただければよいと思います。


さて、このクロスセルが成功する確率は、約20%といわれていますが、
成否を分けるポイントは提案するタイミングです。
そのタイミングとは、ズバリ「お金を払おうとしているその瞬間」です。

楽天市場でよくお買い物をされる方は見かける機会も多いかと思いますが、
デジタル家電製品と一緒に売られている「長期延長保証」だって、
典型的なクロスセル商品ですね。

「そのタイミングに提案しなければ、絶対に購入されないもの」
の代表格といってよいかもしれません。


一方、クロスセルの候補となる商品を探す手掛かりは、
現場にヒントが隠されていることが多いものです。

先のクライアントさんの例でいえば、


わたし「ところで、工事の"ついで"にお願いされるようなことって、
何かありませんか?」

クライアントさん「ついで仕事ですか? う~ん、強いて言うなら、
キッチンのドアや扉なんかがありますかねぇ。というのは、どちらも同じ
プラスチック加工素材なので、浴槽の補修工法と同じ技術が使えるんで・・・」
わたし「そうそう。そういうやつですよ」


こんな感じでもって見つかることが多いようです。


手軽に導入できて、効果もあって、なおかつリスクが限りなく少ないクロスセル。
まだもし実践されていなければ、


・同時(またはすぐに)購入されている商品は見当たらないか?
・ついでに買っていただけそうな商品はないか?
・何もなければ、ついで買い用の商品を作れないか?

こんなところから考えてみていただければ幸いです。


追伸:
観光地で発売されている地域限定のお土産などは、
旅行という商品に絡んだ壮大なクロスセルだといっても過言では
ないかもしれませんね。



株式会社マーケティングトルネード
巽大平