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売上アップの扉を開ける『マスターキー』

投稿日時:2009/01/07(水) 11:43rss

あけましておめでとうございます。
マーケティング・トルネードの一條です。

先月から始まった弊社のコンサルタント3人によるリレーコラム。

先月17日の弊社の佐藤のコラムでは、
『既存の顧客を、ライバル会社よりも、細かいディテールまで、
 良く理解することが出来れば、顧客を探すのが上手になれる』
というお話をしてきました。

12月24日の巽のコラムでは、
『中小企業のインターネットへのチャレンジを難しくしている要因』
についてご紹介しました。

これらのコラムから、すでに業績アップのヒントを
つかまれた方もいらっしゃるかも知れません。

私のコラムでも、何らかのヒントをつかんで頂ければとてもうれしい。
そう思って ≪気合い≫ を入れてます。
どうぞお付き合いください。

さて、私のコラム第一回目。
テーマは、『 既存の事業を上昇気流に乗せる方法 』です。

実は昨年末から、

・既存事業の売上が下がった。
・お客が減った。

という理由でコンサルティングの依頼を受けることが続いています。

同じ悩みを持たれている社長さんがいらっしゃるのであれば、
ぜひ、参考にしてもらいたい。
そう思って書きます。


まず、売上が下がると利益も下がることがほとんどです。

一方で、固定費は変わらない。
スタッフさん、社員さんの生活も心配だから、人件費もカットできない。
だから何とか売上を上げなければ・・・。

その気持ちもとてもよくわかります。

では、どうすればいいのか?

ズバリ言います。

こんなときだからこそ、やみくもに新規事業に手を出すのではなく、
じっくり腰をすえて、目の前にある既存の事業を見直してもらいたいのです。

もちろん、悠長に時間をかけている暇はありません。

だから、時間はかけずに、でも、じっくりと腰をすえるのです。

具体的には、『ある人に対して』、『あるやり方で』、『ある取り組み』を
していきます。


 ■誰に対して?(Who)
   → 『すでに御社の商品やサービスを買ってくれているお客さんに』

 ■どんなやり方で?(How)
   → 『直接会って、もしくは電話で直接話して』

 ■どんな取り組みを?(What)
   → 『なぜそのお客さんが、御社から商品やサービスを買ったのかを、
      じっくり聞く』


という取り組みです。


とても大切なことなので、もう一度繰り返します。


 ■Who: すでに御社の商品やサービスを買ってくれているお客さんに、
 ■How: 直接会って、もしくは電話で直接話して、
 ■What: なぜそのお客さんが、御社から商品やサービスを買ったのかを、
       じっくり聞く。

是非、この取り組みをしてもらいたいのです。



「そんなことしなくても理由なんて、だいたい分かってるよ・・・」

という声が聞こえてきそうです。

しかし、私の経験上、この理由をスパッと答えられる会社さんは、
間違いなく業績アップを続けていらっしゃいます。


「他社でも同じような商品(サービス)があるにも関わらず、
 なぜ、御社だったのか?」
「去年でも、来年でもよかったにも関わらず、なぜ、今だったのか?」

もし御社が今、この質問にスパッと答えられないのであれば、
今すぐ、お客さんに聞いてみて下さい。

この時、質問する相手は、すでに御社の商品やサービスを
購入してくれているお客さんにすることを忘れずに。

背景にある理論は割愛しますが、人は自分がお金を払ったものに対して、
「ダメだ」という評価を下すことは、ほぼありません。

もちろん、聞きはじめは、「ここが気に入らないんだよね」とか、
「ここがもう少しこうだったらいいんだけどね」とかいう
コメントから入るお客さんもいるでしょう。
しかし、根気強く聞いていけば、同じお客さんが最後には
「うん、でも、まぁ、買って良かったと思ってるんだよね」という
コメントに落ち着きます。

それが人の心の仕組みだからです。

仮にこれまで、「お客さんにインタビューしてみたけど、
ずっとダメ出しのコメントしかもらえなかった」というのであれば、
あともう少しだけ、じっくり聞けばいいだけなのです。

だから、すでに御社の商品やサービスを購入して下さっているお客さんに、
徹底的に根堀り葉堀り、聞いてほしい。

実際に聞くべき質問はふたつです。

 質問1.「他にも同じような商品(サービス)があるにも関わらず、
      なぜ、弊社からお買い上げ頂いたのですか?」

 質問2.「去年でも、来年でもよかったにも関わらず、
      なぜ、今だったのですか?」


お客さんからの答えの中には、必ず、「はっは~ん、そういうことか!」
という部分が出てきます。

・商品を告知するのに最適な販促手法
・お客さんに商品を説明する時に最も効果的なトーク
・最も申し込みしてもらいやすいタイミング
・リピートしてもらうための、具体的な案内の仕方 などなど。

ちゃんと聞き出せれば、これらのヒントが手に入る。
これこそが、突破口。
売上アップ、業績アップの扉を開ける『マスターキー』なのです。

お客さんに質問するのに多くの時間はかかりません。
3人のお客さんに聞いたとしても、合計1日もあれば十分です。

なのに効果は絶大。

悪いことは言いません。
やみくもに新規事業に手をつける前に。
右往左往して手遅れになる前に。

まず、この質問から突破口を見つけて頂きたい。

心からそう思っています。



さて、そろそろ第1回目のコラムを終わろうと思います。

今日はここまで、既存の事業が下火になってきたときの
取り組み方を書いてきました。
次回のコラムでは、実際にこの取り組みをした企業さんの
ケーススタディーをお話ししようと思います。

もうひとつ。
今回、やみくもに手を出すべきではないとお話しした新規事業には、
実はコツがあります。
既存事業が上昇気流に乗り、新規事業も立ち上がれば、
こんなに心強いことはありません。

そこで、次々回のコラムでは、新規事業の立ち上げ方についても、お話しします。

今回の進行の都合上、割愛した心理的な背景などについても
追い追いご紹介していきます。
ご興味がある方は、こちらも楽しみにして頂ければうれしいです。

それでは今年も、御社にとって良い年になるように。
良い年にするように、頑張っていきましょう。
また次回、この場所でお会いできることを楽しみにしています。

株式会社マーケティング・トルネード
一條仁志




過去の掲載記事

2008年12月17日 『業績アップの「直球勝負」』 執筆者:佐藤昌弘

2008年12月24日 『ネットが難しくなる理由』 執筆者:巽 大平
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