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お客さんが買いたくなる商品?(新規事業の近道)

投稿日時:2009/06/26(金) 10:39rss

こんにちは。マーケティング・トルネードの一條です。

今、アメリカに来ています。
6月の1か月間、現地の企業さんにコンサルティングを提供しています。
こちらにきてもう2週間が経ちました。

アメリカの経済事情は、日本に比べるとずいぶんと悪い。

私が滞在しているロサンゼルスでは、いまや週休3日の企業が当たり前。
多くの企業が、あの手、この手を使って生き残りに奮闘している状況です。

そういう状況からか、コンサルティングでは、必ず新規事業について聞かれます。

新規事業の立ち上げ方については、以前、このコラム(※)でもお話ししましたが、
今日はまた別の、新規事業を軌道に乗せるコツをお話ししようと思います。

※2009年02月20日(金)更新コラム「超・自然体での新規事業立ち上げ 」
 http://board05.keikai.topblog.jp/blog/101/index.html


■広告を打つその前に!

新規事業を考えるとき、とても大切なことは、

1.誰に
2.どうやって

新しい商品やサービスの提供をはじめたことを伝えるのか、です。


「新しい商品(サービス)なんだから、まずは広告を打って・・・」
「テレアポ?」
「折込チラシ?」


その気持ちも分かります。
だって、新規事業ですから。
出来るだけ多くの人にアピールしたいと思うのは当然なのです。

しかし、いきなり広告を打ったり、電話営業をしたり、新聞にチラシを
折り込む前に、やってみて頂きたいことがあります。

それは、新しい商品・サービスを、ご自分にとってすごく近い人に
使ってもらうこと。

ご家族かもしれません。
とても親しい友人の方かもしれません。

いずれにせよ、ご自分にとってすごく近い人に、一度、新しい商品・サービスを
使ってもらって下さい。

そうすると、いろいろな意見が返ってくるはずです。
厳しいコメントもあるかもしれませんし、思いもしなかった良いところを
ほめてもらえるかもしれません。

それらのコメントをもらったら、それを新商品・新サービスに反映させてみる。
つまり、新商品・新サービスの改訂版を作るのです。

それが終わったら、今度は、自社をひいきにしてくれているお客さんの
何人かに、その改訂版を使ってもらいましょう。

そうするとまた、いろいろなコメントが返ってくるので、
それらをもとに、商品・サービスを改訂する。改訂版の改訂版ですね。

それが終わったら今度は、その他の既存のお客さんの何人かに、
その改訂版の改訂版を使ってもらう。

そしてまた、コメントを集めて、また商品・サービスを改訂する。

この時点で、新商品・新サービスは当初とはまったく違った形に
なっているかもしれませんし、最初の商品・サービスとほとんど
変わらないかもしれません。

いずれにしても、このプロセスを経ることで、いまや御社の
新商品・新サービスは、お客さんが「欲しい」と思うものになっているはず。

あとは費用と効果を測りながら、広告を打ったり、電話営業をかけたり
といった販促をしていけばいい。

これが新規事業を軌道に乗せる近道です。


■遠回りに見えるけど

「そうは言っても、そんなことやってたら、時間だけが経っちゃうよ・・・」

そう思われた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、このプロセスを3日でやってしまうことも出来る。
このプロセスにどれぐらいの時間をかけるかは、会社によって違います。

ただ、確実に言えることは、新規事業をどんどん立ち上げて軌道に
乗せている会社さんは、知ってか知らずか、何らかの形で
このプロセスを経ています。


その一方、今も多くの会社さんが、新規事業を立ち上げるために、
いきなり広告を打っています。

でも、考えてみてください。
新しい商品、新しいサービスです。

それがどんな評価を受けるかは、商品・サービスを提供している側にも分からない。
この状況で反響の高い広告を作るのは、とても大変な作業だと思うのです。

しかし、今日ご紹介したプロセスを経た場合には、まったく違います。
すでに使用者のコメントを通して、何が評価されているのかが分かっているからです。

この情報があれば、反響の高い広告を作ることも難しくはありません。
その結果、短い時間と少ない費用で新規事業を立ち上げていくことが出来る。

一見、遠回りに見えますが、これが一番の近道なのです。


■御社の「宝物」

さて、冒頭にアメリカの経済状況は、日本よりも相当悪いと書きました。
しかし、アメリカの社長さん、従業員さんには、悲壮感がないのです。
国民性といってしまえばそれまでですが、だからこそ、町には笑顔が
溢れているのかもしれません。

ひるがえってみて、御社はいかがでしょう?
今日、ご紹介したプロセスは、既存のお客さんがゼロの会社さんには
取り組むことが出来ないプロセスです。

御社の既存のお客さんはゼロですか?

もしゼロでなければ、それだけでもうけもの。

ぜひ、このプロセスを活用して、御社の事業に役立てて頂ければと思っています。
それではまた次回、この場所でお会いしましょう。



マーケティング・トルネード
一條仁志

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