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「片思いビジネス」脱出のヒントはここに

投稿日時:2009/07/21(火) 14:56rss

こんにちは。マーケティング・トルネードの一條です。

前回も書きましたが、3週間、アメリカに行っていました。
いろいろな社長さん、オーナーさんにもお会いしたのですが、その中に、
現地で大々的に飲食店を展開している方がいらっしゃいました。

この方、8店舗を運営していて、その売上合計が年間40億円。
通常、飲食業では1店舗1億円の売上があれば、大成功と言われるそうですが、
彼に限って言えば、1店舗あたり、5億円という破格の売上です。

その彼に、聞かれました。

「今、業績が落ちてきたお店があるのだけれど、この店を立て直すとしたら、
一條さんなら何から始められますか?」

私は、「今、お店に来てくださっているお客さんをつかまえて、
『なんで他のお店ではなくこの店に来てくれたのか?』
『なんで先月でもなく、来月でもなく、今日、来てくれているのか?』
を聞きますね」
と答えました。

すると彼は顔を曇らせて言うのです。
「それはできない。なぜなら私たちはサービス業をしているのです。
だから、私たちは、どうやったらお客さんが喜んでくれるのか、
何を求められているのかを、お客さんに聞くのではなく、
自分たちで試行錯誤していかないといけないのです」

実は、飲食業に関わらず、こういう話をお聞きすることは初めてではありません。
そして、その打開策もある。

私が、「なるほどね。そういうときはね、こうするといいですよ。・・・・」と、
内緒話をお伝えしたところ・・・・。

彼の眼がとたんにパッと明るくなりました。
この瞬間が、私にとって一番うれしいんですよね。


■それって、「片思い」???


さて、私が彼に伝えた内緒話のご紹介は後でするとして、
彼と同じように考えている方は多いです。つまり、

・どうやったらお客さんが喜んでくれるか
・お客さんは何を求めているか

を、

・お客さんに聞くことなく、自分たちで試行錯誤して見つけようとする。



私はこのスタイルを、「片思いビジネス」と呼んでいます。


片思い。
誰にでも経験があることと思いますが、思春期の頃、好きな人が出来ると、
・相手が自分のことをどう思っているのか?
・あの行動は変に思われたのではないか?

あることないこと、いつも気になって夜も眠れない。
こんな経験をされた方も多いと思います。


「片思いビジネス」はこの状況のビジネス版です。

・お客さんはこう思っているのではないか?
・ウチはここがダメなのではないか?

そうやって自分たちの中だけで試行錯誤していく。

その結果、自分の強みがなくなってしまう会社さんは本当に多いのです。
お客さんの要望や想いとはかけはなれた商品サービスを提供してしまうこともある。

これでは、お客さんを増やしたり、繰り返しのお付き合いをさせて頂くことは
むずかしいかも知れません。

もしも、この状況を避けたいのであれば・・・。
お客さんに直接聞けばいいのです。


■ただし、問題は・・・


ただし、問題は、直接聞いても、本音を話してもらえないことなんです。


だから、本音を聞くために、質問の手順を踏む必要がある。

逆にいえば、きちんと手順を踏みさえすれば、お客さんから直接本音を
聞き出すことは出来る。


その手順については、このコラムでも何回かご紹介してきました。

詳細については、日本実業出版社さんから出ている弊社代表の佐藤の書籍
『凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク』にも詳しく書いています。


ひとつ、コツを付け足すとすれば、質問する相手を、もう既に御社の商品や
サービスをご利用された方にすることです。

なぜなら、その人は、御社のことを知っています。
しかも、実際に商品やサービスを購入しているので、単なる批評家になることもない。

地に足がついた本音が聞けるはずです。


私は、今、『集客アップのコンサルティング』、『書籍の出版プロデュース』、
『既刊本の販促』、『営業トークの研修』と、一見するとまったく関連がないような
複数の仕事をしています。

しかし、実は共通点がある。

それは、どの場面でも、お客さんの本音を聞き出す技術を
お伝えしているということです。

なぜなら、御社が売上を伸ばし、お客さんがリピートしてくれるような
「両想いビジネス」は、まず、お客さんの本音を聞き出すところから始まるからです。

その威力は、これまでの研修参加者さんやコンサルティングのクライアントさんが
証明してくれているようで、これもありがたい限りです。

何かの参考にして頂ければと思い、今日は、それらの声の一部を下記で
ご紹介させて頂きますね。

http://sk-seeker.jp/comment.html


営業にも、販促にも、新商品開発にも、社内のモチベーションアップにも
使えるお客さんの本音。

この紙面では御社に向けた個別のアドバイスを差し上げることは適いませんが、
ぜひ、どうやったら御社のお客さんの本音を聞き出せるか、
考えて試して頂きたいと思います。


その時はくれぐれも、聞く相手を間違えないように。

恋愛と違って、ビジネスでは、すでにお付き合いのある人に
聞くというのが最大のコツですから。


お客さんの本音が分かれば、より喜んでくれる商品やサービスを
提供することも出来ます。


今になって、思春期の片思いを振り返ると、
「そんなのひとりで悩まないで、相手に聞けばよかったのになぁ」と
気がつくものですが、その時は、なかなか気がつかないものなんですよね(笑)

ビジネスもまったく同じ。

あることないことを気にするくらいであれば、お客さんに
聞いてしまえばいいのです。そうすれば、お客さんが今、
評価してくれている部分を伸ばしていくことができるからです。

それが売上につながるのですから、やって損はないと思います。
当然、お客さんの数もついてきます。

あれこれ自分で悩まずに、
しっかり手順を踏んで、ストレートに聞く。

ぜひ、試して頂きたいと思います。


■新しいレストランに長蛇の列が・・・


さて、話はアメリカに戻ります。

ちょうど彼と話したその日は、彼の新店舗のオープン前日でした。

彼は私の話を聞いた後で、既存の店舗のお客さんに電話をしまくって、
なぜ自分のお店に来てくれたのかを聞きまくったそうです。

その結果、新規店舗の前には、2時間待ちの長蛇の列ができていました。

あんなに、お客さんには聞けないと言っていた彼が、どうやってお客さんから
本音を聞き出すことに成功したのか。

私が彼にしたアドバイスは、お客さんが「質問に答えたくなる」前振りを
することです。

具体的に言うと、いきなり
「本音を聞かせて下さい」と聞くのではなく、
質問の前に、
「これからますます、あなたに喜んで頂ける料理・サービスを
提供したいと思っています。
ついては、是ぜひあなたのご協力を頂きたいのですが、
いくつか教えてもらっていいですか?」
という言葉を言ってもらうようにしたのです。

こうすれば、本音を話すことが、お客さんにとってのメリットになりますね。
だから、スムーズに本音を聞き出すことができたわけです。

前振りひとつで、成果は大きく変わります。
ぜひ、参考にして頂ければうれしいです。

今日はここまで。
なにかひとつでもお役に立つ部分があれば、とてもうれしいです。
御社の成功を、願っています。


マーケティング・トルネード
一條仁志



『凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク』(佐藤昌弘著、日本実業出版社刊)
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