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タダで出来る営業力強化

投稿日時:2009/09/18(金) 18:42rss

営業部が個人事業主のあつまりのようになっている。

このようなご相談を受けることが続いています。

もちろん、それぞれの営業マンが成果を出し、営業部門全体の成果も
出ている時にはこのスタイルでもいいと思うのです。

一方で、世の中全体の流れが滞り、営業マンが成果を出しにくい状況に
なっている時には、このスタイルには問題がある。

今日は、【組織の力】を最大限に活かす営業チームを作る方法をお伝えします。
それでは早速始めましょう。

※今回のコラムでは、便宜上、『組織』という言葉を使っています。
 なんだか、硬い言葉でもありますので、ご自身の状況にあわせて、チームや
 部門などに読み替えて読んで頂ければうれしいです。


■とある営業組織の悩み

今、とあるフランチャイズチェーンさんに営業の研修をご提供しています。
この中で、本部の方からご相談を受けました。

本部の営業チームが個人事業主のあつまりのようになってしまったというのです。


本部の営業マンは、フランチャイズの加盟店さんのサポートが仕事です。

加盟店さんには、イケイケ営業の会社もあれば、比較的おとなしめの
会社もありますし、その地域もバラバラ。本部の営業マンは本部の
事務所にいる時間もほとんどない。

このような状況の中で、本部の営業チームが個人事業主のあつまりのように
なってしまったというのです。当然、社内での情報共有も、ノウハウの共有も
出来ていない。

このコラムを読んでくださっている方の中には、同じような状況を
抱えている会社さんもいらっしゃるかも知れません。


これは実にもったいない話です。

なぜなら、複数の営業マンが所属する営業チームには、個人事業主さんの
元に集まってくる何倍もの情報が集まってくるからです

チーム内で情報やノウハウの共有が出来れば、ライバルよりも一歩も
二歩も先に行くことが出来る。

では、どうやって営業マン同士の情報やノウハウを共有すればいいのか。
そのコツは、営業マン同士が使える『共通の言葉』をつくることです。

初めて聞く方もいらっしゃると思うので、少し説明させて下さい。


■共通の言葉とは?

『共通の言葉』というとなんだかむずかしそうです。
簡単に言うとこれは、お互いが、同じ意味で理解できる言葉のことです。

例えば、「法人税」という言葉があります。
しかし、社長と経理担当者とではこの言葉に対する理解の仕方が違います。

一方で、同じ規模の会社を経営している社長さん同士であれば、
比較的同じような理解が出来るかも知れません。

これが『共通の言葉』です。
大切なことは、その言葉自体の意味ではなく、話をしている相手が
その言葉について同じ理解を持てていること。

なぜなら、相手の言葉が理解できなければ、相手のことを理解する
気もなくなりますが、同じ言葉で話すようになると、「意外と
同じようなことで悩んでるんだな」とか、「ああ、そういうことが
言いたかったのか」とか分かることも増えてくるからです。

そうなると、お互いに助け合ったり、情報を提供し合ったりも出来るようになる。

『共通の言葉』を作る方法はいろいろです。

例えば、『チャレンジ』という会社方針を持っている会社であれば、
営業マン全員を集めた上で、「『チャレンジ』という言葉を別の言葉で
言うとどうなる?」という質問をしてみてもいいかも知れません。

その答えを聞くだけでも、「あ、アイツはこういう捉え方をしていたんだ」とか
「あの捉え方はいいな」とか、いろいろとお互いに気がつくことは出るはずです。

ただ単に社長が朝礼で「ウチの会社の方針は『チャレンジ』だ。みんな、
チャレンジするように!」と言っただけでは伝わらないことも、
こういう取り組みをすれば、チームのメンバー全員で共有できるようになる。

『共通の言葉』の出来上がりです。

より具体的に営業上の課題を通して、『共通の言葉』を作ることも出来ます。

その際には、弊社の代表佐藤が書いた『凡人が最強チームに変わる魔法の
営業ミーティング』
(日本実業出版社刊)も参考にして頂けるかも知れません。

どんな方法を使ってでもいいから、営業チームの中に『共通の言葉』を作っていく。
しかも、この取り組みをするのにコストはかかりません。
タダ、無料、ノーチャージです。

でも、ボディーブローのようにジワジワ効果が出てくる。

営業組織が個人事業主のあつまりのようになってしまったという
会社さんにはお薦めしたい取り組みです。


■最後に

さて、ここまで、組織の力を活かすためには何を大事にすればいいのか、
私に分かる範囲のことをお伝えしてきました。

私自身も個人事業主になった経験があるからこそ言いますが、
個人事業主から見れば、組織で仕事が出来るメリットというのは、
本当に大きいものです。

そして、不況と言われる今だからこそ、組織の強みが活きる。

このコラムが何らかの形で、御社のお役に立てれば、
こんなにうれしいことはありません。
ではまた次回、この場所でお会いできることを楽しみにしています。



マーケティング・トルネード
一條仁志

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