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ネットが難しくなる理由

投稿日時:2008/12/22(月) 17:57rss

経営者会報ブログをご覧の皆さん、はじめまして。
株式会社マーケティング・トルネードの巽です。
今回からリレー形式で参加させていただくことになりました。
どうぞよろしくお願いいたします。

さて、私の仕事も、クライアント企業さんの業績を伸ばすためのお手伝いです。
佐藤からの案内にもありましたが、弊社には3人のコンサルタントがいます。
佐藤、一條、そして私です。

それぞれが自分の強みを生かしたコンサルティング方式を採っていて、
ご案内も各自がそれぞれ行っています。
そのため、コンサルティングの提供方法も、提供価格も三者三様。
リリース当初は、
「誰に相談を依頼すべきか、クライアントさんが迷うのではないか?」
という心配もあったのです。

ところが面白いもので、それぞれに集まってくれるお客さんの側は、
意外と住み分けがなされているようで、各々に寄せられる相談内容には、
かなりの偏りがあるようです。

私に限って言うと、セールスレターと呼ばれる販促ツールの添削依頼や、
看板・チラシ・雑誌広告などのデザイン、インフォマーシャル(情報提供型広告)や
ラジオCMなど、クリエイティブに関するご相談が多いです。

なかでも特に多いのが、インターネット関連のご相談です。
年々便利になっていくインターネットの世界ですが、いざ提供側に回ると
「何から手をつけたらいいのか、さっぱり分からない」という
ご相談をよく受けます。

厳密にいえば、「ネットに何を期待していいのか分からない」、
もっと言えば、「ネットでお客さんなんか取れるのか?」というのが、
本当のところではないかと思います。

確かに、ここ何年かの間に、インターネットの世界は急激に複雑になりました。
それはまるで、目の前に巨大な迷路が出現したかのようです。
しかし、中小企業でも実現可能で、かつ有効なインターネット活用法が
ないのかと言われれば、決してそんなことはないと思っています。


そもそも、なぜインターネットはこんなにも難しくなってしまったのでしょうか?

思えば、今からほんの10年前は幸せな時代でした。
メールマガジンを出せば簡単にモノが売れましたし、検索エンジンでの
上位表示対策だって、今とは比べ物にならないほどに簡単でした。
おまけに、オークションにモノを並べているだけで、勝手に毎日高値で
落札されていく。そんな時代が確かにあったのです。

マーケティングの世界では有名な用語に、アーリーアダプターという
言葉があります。これは、新しい技術や製品に積極的に興味を示す層のことを
表しています。こうした新しいモノ好きたちの存在があるからこそ、
量産化や低価格化などのダウンサイジングが進行していくのです。

インターネットは、アーリーアダプターたちにとって格好の遊び場でした。
それは、企業にとっても好都合なことでした。
なぜなら、インターネット黎明期にインターネットを積極利用する層は、
新しいことにチャレンジすることを厭わないユーザーです。
つまり、見込み客の大多数を占める新しいモノ好きの好奇心を満たすには、
インターネットにお店が存在するということだけで十分だったのです。

しかし、新しい取り組みに積極的な企業と、新しいモノに好意的な
ユーザーで均衡状態が保たれていた市場が、急速にバランスを崩し始めます。
ご存じのとおり、ADSLやFTTHといった通信回線の爆発的な普及です。

そのため、それまで「一部のマニアの世界」だと思われていた
インターネットの世界に、多数の追随者が参加することになりました。
そして、ユーザーの多様なニーズを満たさんがために、
インターネットは驚くべきスピードで「細分化」を起こし始めたのです。

そのため、企業はどこにどんな広告を行えば、メッセージを効果的に
届けることができるのか、わからなくなってしまったのです。
それこそが、中小企業のインターネットへのチャレンジを難しくしている
本当の理由ではないかと思います。

ただ、インターネットが複雑化した今になって、改めて思うことが
たくさんあるのです。
それは、オンラインもオフラインも関係なく、下手をすれば時代すらも
関係のない「原則」らしきものがいくつか存在するのだということです。

そこで、これからしばらくは、ホームページを持つ目的について
お話ししてみたいと思います。いまや、企業がホームページを持つことは
当たり前になっていますが、詳しくお話を聞いてみると、明確な狙いを
持ってホームページを運営している企業は驚くほど少ないのです。

なぜこのようなことが起こるのか?
それは、インターネットには、他の手段や媒体とは大きく異なる特性が
あるからなのです。
そこで次回は、この特性について掘り下げながら、企業にとっての
ホームページの役割についてお話ししてみたいと思います。

株式会社マーケティング・トルネード
巽 大平

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