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家電芸人ショーに学ぶ、セールスの極意

投稿日時:2009/11/17(火) 15:13rss

いつもご愛読ありがとうございます。
マーケティング・トルネードの巽です。

先日、とても興味深いニュースがありました。

家電芸人と呼ばれている芸人さんたちが、最新のデジタル家電を
テレビ番組で紹介したところ、ネット上で大きな反響があった商品と、
そうでなかった商品があったというものです。

同じように時間を割いて紹介をしたにもかかわらず、
なぜこのような違いをもたらすのか。

その理由について、大手購買支援サイト「価格.com」さんでは、
以下のような推論を展開されていました。


●単独で取り上げれば反響がある製品でも、複数のライバル製品と
 横並びの紹介にすると、あまり大きなインパクトが得られない。

●デジタルカメラのプラスアルファ機能など、視聴者にとって
 それほど目新しい情報でないものについては、多くの時間を割いても、
 さほど反響が得られない。

わたしはここに、もうひとつ付け加えたいものがあります。
それは、反響のあった製品紹介には、優れたセールステクニックが
使われていたことです。


番組をご覧になった方はご存じだと思いますが、
ネット上で大きな反響があったとされる商品のひとつが、
YAMAHA製の最新スピーカーシステム。

通常なら5台のスピーカーを必要とするサラウンド環境を、
たった1台のスピーカーで作り出すことができるハイテク音響システムです。

番組では、男前芸人のチュートリアルの徳井さんが紹介していた商品ですが、
その説明が実に見事だったのです。


「いい音で聴きたいのは誰でも思うことですが、
 問題はゴチャゴチャの配線と邪魔なスピーカーなんですよね」

「これ、凄いんですよ。スピーカーがたったの一個。」

「なのに、音を壁に反射させることで、後ろから音が聞こえてくるんですよ」

ありがちな問題にピンポイントでフォーカスし、たった1つのスピーカー
にもかかわらず自分の後ろから音が聞こえてくる驚きをシンプルに
紹介することで、サラウンド技術に興味のない層にさえ
「凄い! 欲しい!」と思わせることになりました。

そして、何よりも素晴らしかったのは、他の選択枝を与えなかったことです。

「重低音ならヤマハだけど、高音のヌケの良さはケンウッドがいいですよ」
「なるべく安く済ませたいなら、こういう構成もアリですけどね」
「最近はヘッドホンでもサラウンド環境を手に入れられますからね」

など、ほかの候補や手段も挙げていたなら、ここまで爆発的な影響力は
なかったと思います。

そういえば、ジャパネットさんは、
複数のラインナップから選べるような商品紹介を決してしませんよね。

実はこれ、ホームページでも同じなのです。

ネットマーケティングにある程度慣れ親しんでいる方なら、
「ホームページを作るなら、特化型のサイトにしましょう」
という考え方を知っている方も多いと思います。

見掛け上の専門店化が容易なネットの世界では、

・リフォーム総合ショップよりも水回り専門ショップ
・水回り専門ショップより浴室専門ショップ
・浴室専門ショップよりシャワー混合栓専門ショップ

と、テーマを絞った方が反応が良いとされています。


けれども、単に取扱ジャンルを絞り込んだだけで大きな反応が
得られるかというと、決してそうではありません。

せっかく単品販売を行っていても、無用なラインナップを並列表記
することで反応を落としてしまっているケースもよくあるのです。

野暮な提案や無駄な選択肢の提示は、ユーザーを迷わせることがあります。
あなたのサイトでも、複数の選択肢を提供することが、逆効果に
なっていないでしょうか?

株式会社マーケティングトルネード
巽大平

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