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不況の歩き方 番外編2

投稿日時:2010/01/06(水) 11:19rss

新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。


さて前回は、読売ISさんから送られてきた折込統計資料を
見ていて気がついたことをお話しした。
マスメディアが言う通りの不景気が、該当しない業界が、
こうした統計資料から見てとれるという話だった。


そこで、今回は、まったく話が変わるが、
新聞へのチラシ折り込みという方法で稼いでいた、
私の経験談をお話ししたいと思う。

それは、1枚のチラシを印刷するコストについてだ。

折込チラシのコストは、印刷代、折込代、この2つに大きく分かれる。

一般的には折込代は、ディスカウントが難しい。
コストダウンが難しいのである。

しかし、チラシの印刷コストは、努力次第で下げることが出来る。
それがきわめて重要なのである。


私の場合、新聞にチラシを折り込むと3000枚に1件の電話がかかってきていた。
つまり30万枚折り込むと100件の電話がかかってくるわけだ。

ここで、1枚あたり1.5円で印刷し、折込代は2.5円だとする。

チラシを1枚折り込むのに、1.5+2.5円=4円かかるので、
30万枚だと120万円のコストである。


ここで、チラシを見てかかってきた100件の電話に対して
100件の見積書を出すことになる。
成約率が7割だったから、70件の受注だ。
平均受注単価は50万円だったから、3500万円の売り上げということになる。


整理すると次のようになる。
120万円かけてチラシを30万枚まくと、3500万円の売り上げになるのだ。

逆に言うと、私は3500万円の売り上げを上げるためなら、120万円払っても
構わないということになる。


ここで、チラシの印刷単価を1.5円から1.4円にすることが出来たとしよう。

120万円の予算で何枚まけるか?

120万円÷3.9円=約307,700枚。

3000枚に1件の電話だから、電話の数は102件である。
受注率は7割だから、71.4件。
平均単価50万円だから、3570万円。

これを12カ月続けるわけだから、1年で840万円も売上が増加するのである。


年商4億2000万円の会社が、約850万円の年商アップをするのに、
チラシ1枚で、0.1円でそれが可能になるということだ。


チラシを活用したビジネスは、これぐらいに価格に敏感にならないと
すぐに経費倒れになってしまうということでもある。


そこで、私は「入札」をお勧めしたいと思う。
一般的に、1か月に10万枚も印刷している企業であれば、
地元の印刷会社から、どんどん提案してくれるのである。

電話帳を見て、印刷会者をリストアップして、入札のお願いを
しまくる。
それだけで、印刷コストは下げられるからだ。

私はこの方法で、2円だった印刷費を1.24円にまで落としたことがある。
その差がどれぐらいになるのか、シミュレーションして欲しいのである。

折込チラシを活用している企業にとってみれば、普通の話だったかも
知れないが、これからチャレンジしようと思っている会社があれば、
是非、頭の片隅にでも覚えておいて欲しいと思う。

株式会社マーケティング・トルネード
代表取締役
satou




※本連載コラムは今回で終了となります。
ご愛読ありがとうございました。(経営者会報ブログ事務局)
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