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2009年07月21日(火)更新

「片思いビジネス」脱出のヒントはここに

こんにちは。マーケティング・トルネードの一條です。

前回も書きましたが、3週間、アメリカに行っていました。
いろいろな社長さん、オーナーさんにもお会いしたのですが、その中に、
現地で大々的に飲食店を展開している方がいらっしゃいました。

この方、8店舗を運営していて、その売上合計が年間40億円。
通常、飲食業では1店舗1億円の売上があれば、大成功と言われるそうですが、
彼に限って言えば、1店舗あたり、5億円という破格の売上です。

その彼に、聞かれました。

「今、業績が落ちてきたお店があるのだけれど、この店を立て直すとしたら、
一條さんなら何から始められますか?」

私は、「今、お店に来てくださっているお客さんをつかまえて、
『なんで他のお店ではなくこの店に来てくれたのか?』
『なんで先月でもなく、来月でもなく、今日、来てくれているのか?』
を聞きますね」
と答えました。

すると彼は顔を曇らせて言うのです。
「それはできない。なぜなら私たちはサービス業をしているのです。
だから、私たちは、どうやったらお客さんが喜んでくれるのか、
何を求められているのかを、お客さんに聞くのではなく、
自分たちで試行錯誤していかないといけないのです」

実は、飲食業に関わらず、こういう話をお聞きすることは初めてではありません。
そして、その打開策もある。

私が、「なるほどね。そういうときはね、こうするといいですよ。・・・・」と、
内緒話をお伝えしたところ・・・・。

彼の眼がとたんにパッと明るくなりました。
この瞬間が、私にとって一番うれしいんですよね。


■それって、「片思い」???


さて、私が彼に伝えた内緒話のご紹介は後でするとして、
彼と同じように考えている方は多いです。つまり、

・どうやったらお客さんが喜んでくれるか
・お客さんは何を求めているか

を、

・お客さんに聞くことなく、自分たちで試行錯誤して見つけようとする。



私はこのスタイルを、「片思いビジネス」と呼んでいます。


片思い。
誰にでも経験があることと思いますが、思春期の頃、好きな人が出来ると、
・相手が自分のことをどう思っているのか?
・あの行動は変に思われたのではないか?

あることないこと、いつも気になって夜も眠れない。
こんな経験をされた方も多いと思います。


「片思いビジネス」はこの状況のビジネス版です。

・お客さんはこう思っているのではないか?
・ウチはここがダメなのではないか?

そうやって自分たちの中だけで試行錯誤していく。

その結果、自分の強みがなくなってしまう会社さんは本当に多いのです。
お客さんの要望や想いとはかけはなれた商品サービスを提供してしまうこともある。

これでは、お客さんを増やしたり、繰り返しのお付き合いをさせて頂くことは
むずかしいかも知れません。

もしも、この状況を避けたいのであれば・・・。
お客さんに直接聞けばいいのです。


■ただし、問題は・・・


ただし、問題は、直接聞いても、本音を話してもらえないことなんです。


だから、本音を聞くために、質問の手順を踏む必要がある。

逆にいえば、きちんと手順を踏みさえすれば、お客さんから直接本音を
聞き出すことは出来る。


その手順については、このコラムでも何回かご紹介してきました。

詳細については、日本実業出版社さんから出ている弊社代表の佐藤の書籍
『凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク』にも詳しく書いています。


ひとつ、コツを付け足すとすれば、質問する相手を、もう既に御社の商品や
サービスをご利用された方にすることです。

なぜなら、その人は、御社のことを知っています。
しかも、実際に商品やサービスを購入しているので、単なる批評家になることもない。

地に足がついた本音が聞けるはずです。


私は、今、『集客アップのコンサルティング』、『書籍の出版プロデュース』、
『既刊本の販促』、『営業トークの研修』と、一見するとまったく関連がないような
複数の仕事をしています。

しかし、実は共通点がある。

それは、どの場面でも、お客さんの本音を聞き出す技術を
お伝えしているということです。

なぜなら、御社が売上を伸ばし、お客さんがリピートしてくれるような
「両想いビジネス」は、まず、お客さんの本音を聞き出すところから始まるからです。

その威力は、これまでの研修参加者さんやコンサルティングのクライアントさんが
証明してくれているようで、これもありがたい限りです。

何かの参考にして頂ければと思い、今日は、それらの声の一部を下記で
ご紹介させて頂きますね。

http://sk-seeker.jp/comment.html


営業にも、販促にも、新商品開発にも、社内のモチベーションアップにも
使えるお客さんの本音。

この紙面では御社に向けた個別のアドバイスを差し上げることは適いませんが、
ぜひ、どうやったら御社のお客さんの本音を聞き出せるか、
考えて試して頂きたいと思います。


その時はくれぐれも、聞く相手を間違えないように。

恋愛と違って、ビジネスでは、すでにお付き合いのある人に
聞くというのが最大のコツですから。


お客さんの本音が分かれば、より喜んでくれる商品やサービスを
提供することも出来ます。


今になって、思春期の片思いを振り返ると、
「そんなのひとりで悩まないで、相手に聞けばよかったのになぁ」と
気がつくものですが、その時は、なかなか気がつかないものなんですよね(笑)

ビジネスもまったく同じ。

あることないことを気にするくらいであれば、お客さんに
聞いてしまえばいいのです。そうすれば、お客さんが今、
評価してくれている部分を伸ばしていくことができるからです。

それが売上につながるのですから、やって損はないと思います。
当然、お客さんの数もついてきます。

あれこれ自分で悩まずに、
しっかり手順を踏んで、ストレートに聞く。

ぜひ、試して頂きたいと思います。


■新しいレストランに長蛇の列が・・・


さて、話はアメリカに戻ります。

ちょうど彼と話したその日は、彼の新店舗のオープン前日でした。

彼は私の話を聞いた後で、既存の店舗のお客さんに電話をしまくって、
なぜ自分のお店に来てくれたのかを聞きまくったそうです。

その結果、新規店舗の前には、2時間待ちの長蛇の列ができていました。

あんなに、お客さんには聞けないと言っていた彼が、どうやってお客さんから
本音を聞き出すことに成功したのか。

私が彼にしたアドバイスは、お客さんが「質問に答えたくなる」前振りを
することです。

具体的に言うと、いきなり
「本音を聞かせて下さい」と聞くのではなく、
質問の前に、
「これからますます、あなたに喜んで頂ける料理・サービスを
提供したいと思っています。
ついては、是ぜひあなたのご協力を頂きたいのですが、
いくつか教えてもらっていいですか?」
という言葉を言ってもらうようにしたのです。

こうすれば、本音を話すことが、お客さんにとってのメリットになりますね。
だから、スムーズに本音を聞き出すことができたわけです。

前振りひとつで、成果は大きく変わります。
ぜひ、参考にして頂ければうれしいです。

今日はここまで。
なにかひとつでもお役に立つ部分があれば、とてもうれしいです。
御社の成功を、願っています。


マーケティング・トルネード
一條仁志



『凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク』(佐藤昌弘著、日本実業出版社刊)

2009年06月09日(火)更新

なぜあんな商品で儲かるのか?

いつもご愛読ありがとうございます。
マーケティング・トルネードの巽です。

先月初旬に始まった新型インフルエンザの問題には、
大変な苦労をされた方もいることと思います。

私のクライアントさんの中にも、せっかく苦労して集客したイベントを、
直前になって中止せざるをえない状況に陥ったと、
かなり厳しい経験をされた方もいました。


一方、今回の騒動は、思いもよらない特需を生み出しました。
ご存知の通り、マスクやアルコール消毒といったウイルス対策商品です。


なかでも、サージカルマスクの需要は尋常ではなく、
店頭はもちろん、楽天、アマゾン、ヤフーショッピング、
ケンコーコムなど、主要なモールでも在庫切ればかり。


楽天市場の売れ筋ランキング上位30位までが
すべてがマスクという異様な光景もありました。
(あ、でも生キャラメルは相変わらず強かったですね。)


さて、このランキングに登場していたお店には、
2つのタイプが存在したようです。


ひとつは、高機能で比較的高価な多機能マスクを販売しているショップ。
もうひとつは、60枚で800円程度のお値打ちマスクを販売していたショップ。

実は、後者のほとんどは、普段マスクなんて取り扱っていないお店でした。
どうやら、必死に在庫を確保されたようです。


でも、大量仕入れで仕入価格を抑えることはできても、
もともと商品単価が安いもの。
マスク単体の販売で利益を上げることは難しいはずです。


なぜ彼らはこんなに苦労をしてまで
儲からないマスクを販売したかったのでしょうか?


それは、ハウスリストの重要性を分かっているからです。

通販型ビジネスに限らず、顧客リストは企業の生命線。
とりわけ、自社の商品やサービスに興味を持ってくれた方のリスト、
つまり自力で構築したハウスリストの存在は、
事業全体を左右するほどの財産となります。


そのハウスリストを構築するために、
最初に買ってもらう集客商品のことをフロントエンドと呼ぶことがありますが、
このフロントエンドに何を持ってくるかで、
突破口の開き具合が大きく変わってくるのです。


ここでマスクを買ってくださるお客さんは、
ネット通販という販売手段に抵抗がない方。
将来、他の商品を買ってくれる可能性も高いでしょう。

今、必要とされているものを、利益ナシでも提供する。

いち早くマスクを集客商品として選んだショップさんは、
今回の特需で膨大な顧客リストを手に入れたことと思います。


もちろん、一部の業者による過熱ぶりに世間の批判が集まったことも事実です。


しかし、こうした機会を、本当の意味で上手に利用されたショップさんは、
お客さまにも感謝されながら、優れたリストも手に入れるという、
WIN-WINの関係を築いたはずです。


あなたがもしこれから、「なぜあんな商売で儲かるんだ?」という疑問を
持つことがあったなら、その裏側の事情を少しだけ想像してみてください。
そうした疑問の繰り返しが、マーケッターとしての糧になっていくはずですから。


株式会社マーケティングトルネード
巽大平

2009年05月19日(火)更新

ノーリスクで客単価を2割増やす方法

いつもご購読ありがとうございます。
マーケティング・トルネードの巽です。

最近クライアントになられた企業さんに、
浴槽の修理・補修を専門にされていらっしゃる職人さんがいます。

インターネットを使った集客方法に関するご相談がメインでしたが、
それ以外の悩みもありました。

それは、受注単価の問題です。

というのも、このクライアントさんは、
集客対策から電話受付、工事、代金回収から月々の支払いまで、
あらゆることを一人でこなされていました。

そのため、見込み客や受注件数を増やす取り組みもさることながら、
1件当たりの受注単価を増やすこともまた、大きな課題のひとつだったからです。


たくさんのお客さんに注文はしてもらいたい。
しかし、こなせる数には限りがある。
その結果、どうしても売り上げのアッパーが決まってしまう。
何か手っ取り早く解決できる方法はないだろうか。


実を言うと、こうした悩みは意外と起こりがちで、
「儲かっていないわけじゃないんだけど・・・」という方ほど、
ジレンマを抱えることが多いようです。

実際には様々なアプローチ方法があるものなのですが、
手軽に出来て、それでいて効果の高い方法のひとつに、
クロスセルという手法があります。

クロスセルとは、簡単にいえば「ついでに他のものも買ってもらう取り組み」のこと。

・スーパーのレジ横に並んでいるグミ。
・ゲーム機を購入するときに薦められる2人目用のリモコン。
・携帯電話を買ったときに薦められる液晶保護シート。
・デジカメを買ったときに薦められるメモリーカード。
・新車を購入する際に薦められるガラスコーティング。

などを思い起こしていただければよいと思います。


さて、このクロスセルが成功する確率は、約20%といわれていますが、
成否を分けるポイントは提案するタイミングです。
そのタイミングとは、ズバリ「お金を払おうとしているその瞬間」です。

楽天市場でよくお買い物をされる方は見かける機会も多いかと思いますが、
デジタル家電製品と一緒に売られている「長期延長保証」だって、
典型的なクロスセル商品ですね。

「そのタイミングに提案しなければ、絶対に購入されないもの」
の代表格といってよいかもしれません。


一方、クロスセルの候補となる商品を探す手掛かりは、
現場にヒントが隠されていることが多いものです。

先のクライアントさんの例でいえば、


わたし「ところで、工事の"ついで"にお願いされるようなことって、
何かありませんか?」

クライアントさん「ついで仕事ですか? う~ん、強いて言うなら、
キッチンのドアや扉なんかがありますかねぇ。というのは、どちらも同じ
プラスチック加工素材なので、浴槽の補修工法と同じ技術が使えるんで・・・」
わたし「そうそう。そういうやつですよ」


こんな感じでもって見つかることが多いようです。


手軽に導入できて、効果もあって、なおかつリスクが限りなく少ないクロスセル。
まだもし実践されていなければ、


・同時(またはすぐに)購入されている商品は見当たらないか?
・ついでに買っていただけそうな商品はないか?
・何もなければ、ついで買い用の商品を作れないか?

こんなところから考えてみていただければ幸いです。


追伸:
観光地で発売されている地域限定のお土産などは、
旅行という商品に絡んだ壮大なクロスセルだといっても過言では
ないかもしれませんね。



株式会社マーケティングトルネード
巽大平

2009年05月15日(金)更新

24時間化

登山においては、頂上はひとつしかなくとも、頂上に至るルートは何通りもある。
北側から登っても、いずれ頂上につく。
南側から登っても、いずれ頂上につく。
必要な道具や、景色や苦労は違うだろうが、目指すところは同じである。

それと同じで、ビジネスで成功を収めるにも、
成功に至るルートは、いく通りもあるのだなと感じさせられる。

私は仕事柄、さまざまな営業手法の構築をお手伝いしてきている。
毎回、クライアントさんと試行錯誤しながら構築する仕組みは、
どこかしら目新しさがあって、同じものにはなかなかならない。

それこそ、泥臭い方法から手品みたいな方法まで、
世の中にはさまざまな成功の方法があり得るのだなと、
アドバイスしているのは自分でありながら、我ながら驚く毎日である。


さて、そうした企業さんが業績を上げていく戦略・戦術というのは、
他の企業さんが参考にしてもらえそうなものも、いくつかあるのも事実だ。

そこで、今回は1つの考え方についてご紹介したい。

それは、24時間化についてである。

◆24時間化

24時間化と言われると、ほとんどの人は、「コンビニ」を想像されるようだ。
しかし私は、コンビニエンスストアを経営したらどうか、と言いたいのではない。

「あなたのビジネスの中に、24時間化させることが可能な部分は無いだろうか?」
この発想で事業を冷静に見直し、改良を施すと、業績が上がっていくことが
多いのである。

ここは、「頭のやわらかさ・柔軟さ」が必要とされる。

例えば、私であれば経営コンサルタントである。

そのコンサルティングは24時間提供するわけにはいかない。
では、何なら24時間サービス提供できるだろうか?
そう頭を柔らかくして考えるわけだ。

「ソフトウェアだったら24時間サポートを提供することが可能になるかも知れない。」
「DVD教材であれば、24時間いつでも勉強してもらえるだろう。」

「無料の事例レポートをホームページから、24時間いつでも
 ダウンロード出来るようにしておけば、忙しいビジネスマンも
 情報収集できるのではないだろうか?」

(これらは実際にやってます。ぜひご活用下さい・笑)
http://www.marketingtornado.co.jp/magazine.html?BL



こうして、24時間化できそうな「部分」のアイデアを出していくのである。


じゃ、これをパン屋さんが応用するとしたら、どう考えるか?

「パンの自動販売機を店頭に置いて、夜間は閉店する?」
「携帯ホームページを準備して、明日の焼き立てパン予約を24時間受け付ける?」

こうやって、予算とスキルが許してくれる範囲で、アイデアを出していくのである。

分譲住宅の現地説明会をしている会社だって、アイデア次第である。
「どうする? 24時間現場に誰かが常駐する?」
仮にできても、うまくいかないだろう。
どれだけ都心でも、やはり夜中の来訪者は数が減るからだ。

だからこそ、
「無人でもチラシを取ってもらえるよう、チラシスタンドを現地に置いておく」
だとか、現地看板に、
「24時間の録音テープガイダンスがあります。ぜひ電話で聞いてみて下さい」
だとか、
「防水ボックスに入れたテレビでDVD映像を流しっぱなしにしておく」
だとか。

こうやって、予算とスキルが許してくれる範囲で、
アイデアを出していってみて欲しいのである。

もちろん、業界によっては、すでに24時間化を高度に採用しているところもある。
そうしたところは、やはり大きな結果を出している。

世の中、まだまだ未導入の業界が圧倒的だ。
そうした未開の業界こそ、効果的なのである。

参考にしてもらえれば幸いである。


株式会社マーケティング・トルネード
代表取締役
satou

2009年04月14日(火)更新

「お客さんは誰か?」を理解するということ

こんにちは。マーケティング・トルネードの佐藤昌弘です。

私は、集客やセールスの分野における専門家として、
理論だけではなく、実務レベルでお手伝いをするのが仕事です。

最終的なアウトプットとしては、具体的にいえば、ホームページの
リニューアルや、チラシの添削、新聞広告や、道路看板などの
デザインや大きさにまでアドバイスをしていきます。

集客やセールス分野においては、抽象的な方向性だけを示しても、
結果につながらなければ時間も労力もお金ももったいないからです。

さて、そうした日々の仕事の中で、いつも繰り返し経験する
トピックについて、今日はお話しします。

それは、「業績を回復させたい人や、業績を伸ばしたい人にとって、
避けては通れないテーマ」についてです。

クライアント企業さんからの相談はいろいろあります。
次の新商品開発へのアドバイスをください。営業研修をしてください。
集客イベントのチラシにアドバイスください。それこそ千差万別です。

しかし、いつも質問することがあるんです。
それは、「どんな客なのか? 客は誰か?」という質問です。

なぜかといえば、「どんな客なのか? 客は誰か?」ということを
ちゃんと理解することが、とても重要だからにほかなりません。

ここで誤解が生じるわけです。
私が「客は誰か?」という質問の仕方をするからといって、
なるほどね、と思ってはいけないのです。


「なんだそれ? 自分で質問しておいて、そのまま質問に
答えようとするなだと? 何だ、それは?」
とお叱りを受けるのは仕方がありません。だけど本当のことなのです。

これは、私の文章力の無さが原因なのですが、職人さんを相手にすると、
よく生じることなのです。

例えば、お寿司が上手になりたいとします。
そして、その道の専門家へと訊ねたとします。

『お寿司のコツはね、  「どんな魚のネタか」 
を、ちゃんと理解することなんだよねえ』

ひとことで整理して伝えなければならないとか、わかりやすくしないと、
とか、どうしてもこうした場合には、言葉足らずにならざるを得ないのです。
私の場合には、特にそうです。


ですから、専門家にそう言われても、
「はいはい、わかりました」とは、言っちゃいけないと思うのです。

それだけで終わらずに、
「どんな魚のネタかを理解するって、どういうことですか?」
と根ほり葉ほり、突き詰めていくと、ようやく詳しく教えて
もらえたりするからです。


そうでもしないと、大事なところをわからないまま、
つい、言葉通り受け取って、わかったつもりになっちゃうのです。


そこで、私も自問自答をしてみることにしました。

『「どんな客なのか? 客は誰か?」ということをちゃんと理解すること』
とは、なにか?
「どんな客か」「客は誰か?」とは、どういうことなのか?


具体的なケーススタディで説明しましょう。
たとえば、私の場合であれば、ビジネス教材を販売していたりもします。
「凡人が最強営業マンに変わるセールスセミナーDVD」という
セールス実演DVDを販売していたりします。

そこで質問をするわけです。
「営業ノウハウDVDの教材を買われる人は、どんな客なのか?」
という質問です。

もちろん、これにはいろんな答え方があると思います。


1.「3か月、営業成績がタコ(0件)を打ち、
4か月目に突入しようとして、
   いよいよせっぱつまってきている営業マン」

2.「社長業として営業活動もしている人」

3.「営業で売上に悩んでいる営業マン」

どれも本当ではあります。間違いではありません。
しかし、マーケティング的に役立つ答え方として適切なのは、
1番なのです。

2番も3番も、答えは、正しいのかも知れないが、マーケティング的には
役立たない可能性が高いのです。

1番をご覧ください。
お客さんを語る言葉のなかに、消費の動機が語られていることが
おわかり頂けると思います。

「3か月連続で成績タコになり、せっぱつまった」のは、
確かに何らかの行動を起こすに十分な動機を感じさせませんか?

こういうのが、「顧客とは誰か?」と考えたときの、ちゃんとした
答えだと思うのです。
購入動機と一緒にお客さんをイメージするのは、極めて大事なことです。
ぜひ、ご参考にして頂ければ幸いです。



株式会社マーケティング・トルネード
代表取締役
satou

2009年03月18日(水)更新

「新事業」より「芯事業」

マーケティング・トルネードの一條です。
前回、新規事業の立ち上げ方について書いたのですが、
さっそく、コメントを頂きました。

こうやってコメントを頂くと、頑張って書いている甲斐があるというもの。
今日も、はりきって書きますね。


■「新事業」より「芯事業」

さて、前回頂いたコメントはとても興味深いものでした。
まずは頂いたコメントをご紹介します。

> 当社も今までに培った技術、資料などを資源として、お客様が
> どのようなことに興味をもたれているか、とりあえずサイトでテスト
> していますが、非常に反応があります。「新事業」より、まず「芯事業」
> かもしれません。ありがとうございました。


いったい、自社の芯となる事業は、何なのか?

私も、「自社の芯となる事業が分からない」とご相談を受ける
ケースがあります。


なんとなく売上は上がっている。
けれど、「弊社は○○に強い会社です!」と言える○○は
無いような気がする・・・。

このような状況なのですが、しかし、だからと言って、
これらの会社さんに「芯事業」がないということではありません。

ではなぜ、芯がないように感じるのか?


少し、お話ししていきましょう。
今日のテーマは、御社の芯事業を見つける方法です。


■すべてが違う事業だった


今の事業はあるし、売上も上がっている。
それなのになぜ、自社には芯がないと感じるのか?


それは『複数の事業を、ひとつの事業として捉えているから』かも知れません。


弊社ではマーケティングの基本として、事業を、【お客さん】【商品】
【販売方法】の3つの要素の掛け算で考えることをお勧めしています。


・お客は誰か?
・商品は何か?
・どうやって売っているのか?

この3つの要素です。


御社のお客さんは、法人なのか個人なのか?
法人であれば、どんな業種なのか? どれくらいの規模なのか?
個人であれば、男性なのか、女性なのか? 大人なのか、子供なのか?
地域に偏りはあるのか?

商品は何か。サービスなのか、モノなのか?

販売の方法は、対面販売なのか? 店舗に来てもらうのか?
営業で相手を訪問するのか? コールセンターを使うのか、
インターネットでの通販なのか?


例えば、【お茶】を販売している会社があります。

・この会社では、営業マンが法人を回ってお茶の注文を取っています(A)
・この会社では、新聞にチラシを折り込んで、電話でお茶の注文を
 受け付けています(B)
・この会社では、インターネットのホームページからお茶の注文を
 受け付けています(C)


ここで質問です。
この会社には、いくつの事業があるでしょう?


「え?事業って言ったって、お茶を売る事業、ひとつだけなんじゃ・・・」


そう考えるのも無理はありません。

だって、商品は【お茶】ひとつだからです。

しかし、思い出して頂きたいのです。


先ほど事業は、【お客さん】【商品】【販売の方法】の3つの要素の
掛け算で出来ているとお話ししました。

つまり、この3つのうちのひとつでも変われば、今まで通用していた
ノウハウは通用しなくなるのです。

例えば、法人営業用の営業トークは、個人のお客さまからかかってきた
電話を受けるコールセンターのトークには使えません。

ホームページの申込ボタンをどこに配置すればいいのかという
ノウハウは、新聞折り込みチラシのノウハウとはまた別のノウハウです。


今、上記のA、B、Cのそれぞれで売上が上がっているのであれば、
この会社にはA、B、Cの3つの事業のノウハウがあるということなのです。


しかし、もし仮にこの3つの事業を、【お茶を販売する】というひとつの
事業だと捉えていたとしたら?


それぞれのノウハウがごちゃごちゃになって、混乱してしまうかも
知れません。

その結果、「うちには芯となる事業がない・・・」と思う社長さんが
いてもおかしくはない。

しかし、芯がないわけではないのです。


そこで、御社の芯事業を見つけるために、まずやってみて頂きたい
ことがあります。とても簡単な2つのステップです。

ステップ1.
まず、今のお客さん、今の商品、今の販売方法をそれぞれ書き出してみる。

ステップ2.
全部書き出したら、お客さんと商品と販売方法の【3点セット】の
組み合わせをすべて書き出す。

これだけ。

【お客さん】が違えば、それも別事業として書き出します。
【お客さん】と【商品】が同じでも、【販売方法】が違えば、別事業です。


こうして分解した結果、自社の中にはいくつもの【3点セット】が
あることに気付かれた方もいらっしゃるかも知れません。

この過程でどの【3点セット】が伸びているのか、テコ入れをするべき
【3点セット】はどれなのか、これから育てたい【3点セット】は
どれなのかもはっきりしてきます。

あとは、それぞれの【3点セット】に対して、必要な取り組みを
していけばいい。


私は、御社の中には、芯となる事業はいくつもあると思っていますし、
いくつあってもいいものだとも思います。

そして、それらの芯は、優先順位が入れ替わったり、
形を変えたりしながら、御社を支えていく。


是非、御社の中にある【3点セット】のひとつひとつに光を
当ててみて頂きたいと思っています。

それではまた次回、この場所でお会いしましょう。





マーケティング・トルネード
一條仁志

2009年02月27日(金)更新

儲かる理由の「鮮度」

マーケティング・トルネードの佐藤昌弘です。

今の私は経営コンサルタントというのが仕事です。
しかし、コンサルタントになる以前は、自分で創業した
住宅リフォーム会社を経営していました。

泥臭い社長業を何年もやっていたからこそ、そのころの私は、
「コンサルタントに何がわかるもんか。口先だけのくせに。
 他人の世話焼いてねーで自分の心配してろ。ばかたりーが!」
と思っていたものです。

今は、私がそんな過去を持っているとは知らないクライアント顧客ばかり
ですから、逆にそう思われている立場かも知れません。
不思議な感じです。

しかし、第三者的な視点で、冷静に見ることが出来る良さもあるのです。
コンサルタントになって初めて気づけた事も多いのです。
今日はそんな話をしたいと思います。


さて、こういう仕事をしていますと、
世の中には、「うわっ、すげーなぁ。儲かってんなー」
と、びっくらこく企業に出会うことが、よくあります。

そういう会社は、確かに存在しています。

逆に、「どうしてこうも運が悪いのか・・・」と、
何か除霊でもしてもらったほうが良いのかもと、
冗談半分で思いたくなるほどツイてない会社もあります。

本当に確かに、そういう会社も存在してるのです。


コンサルタントになると、こうした貴重な活きた現場の
ケーススタディを数多く知ることができます。
数多くの事例に触れるからこそ、ある共通項に気づくこともあるのです。

では、儲かっている会社は、創業当初から激儲かりだったのか?
では、儲かっている会社は、未来もずっと激儲かりが続くのか?

私の過去の経験から言えば、NOだと思います。



江戸時代末期の「安政」と呼ばれた時代に創業されたという会社があります。
日本の元号で言えば、
「安政-万延-文久-辛酉-元治-甲子
     -慶応-明治-大正-昭和-平成」
となります。
おそろしく寿命の長い企業さんです。

長い歴史の間には、儲かっていた時期があります。
しかし今は、少々苦しんでらっしゃています。

長い歴史があれば安泰かというと、そうでもありません。
ご存知の通り、ウェッジウッドという老舗の陶磁器メーカーなどは、
事実上経営破たんしてしまいました。
長くやってれば良いというものでもないようです。


反対に、ずっと繁栄を続けている会社に共通しているのは
何かという視点で考えてみると、あることに気付きます。

具体的なクライアント顧客のケースは出せないので、
誰もが知っているケースでお話ししましょう。

あの、トヨタグループはどうでしょうか。
まぁ、今回の一件ではトヨタでさえ想像してなかった早さで
危機がやってきたようです。
しかし、もともとは自動織機という事業から、自動車部という
部署が出来て、それが別会社化してトヨタ自動車となっています。

織物を作る機械を作っていた会社から、自動車を作る会社が生まれたわけです。
おそらく近い未来には、ロボット産業へと発展を遂げようと準備を
しているのではないかなと個人的に想像しています。


同じようなケースを探せば数々あります。
DHCさんも、もともとはDaigaku Honyaku Centerという洋書の翻訳が本業でした。
そうです。あのサプリメントのDHCさんです。
今では健康食品から、エステ、スパ経営へ、さらには医薬品事業へ進出するなどの
広がりを見せていらっしゃいます。


つまり、私の考えでは、儲かる理由には「鮮度」があると思うのです。

儲かる理由の「鮮度」が落ちる前に、次の展開のための準備を始める。
織機の魅力が時代とともに薄くなっていく前に、自動車への準備を。
サプリメントの魅力が時代とともに薄くなっていく前に、医薬品への準備を。

この次への展開のための準備は、何年もかかるものもあれば、
明日からすぐに成果が現れるものもあります。


例えば、何世代も酒蔵を営んできた日本酒の酒造メーカーが、
お漬物を漬けるためのものとして販売していた「麹(こうじ)」を、
ある日、「お肌がピカピカになる生麹パック」として酒販店で売り始める。
これは、やる気になれば1週間で商品化できます。

こうした次への展開は、本当に即座に出来るものが多くあるのですが、
その着眼点を知らない会社が多いだけなのです。

もちろん、今の事業とは違う、新規事業へと参入するだけが
「鮮度」を維持する方法ではありません。
ある化粧品メーカーは、無添加化粧品から、ナノ技術を使った化粧品へと
その「鮮度」を変化させていきました。

別に、既存事業と分野の違う新規事業に参入したわけではありません。
化粧品事業をずっと継続させています。

キティちゃんも、ずっとキティちゃんですが、鮮度を保つように変化
をしていますよね。

「変化が大切」とは、頭では理解していましたが、
こうした「鮮度」の維持という別の言い方をしても、
理解が進むと思ったのです。

繁栄し続けている企業の中で、ずっと変化せずに済んでいる会社を
探すほうが、やはり難しいことをいまさらながらに気づいたのです。

特別なことを言っているわけではないことは、理解しています。
しかし、奇をてらわず、基本的なことも思い出していただく事も
大切だと思いました。

あなたの会社に対しての顧客からのニーズは、
果たして10年前とまったく同じでしょうか。
その「鮮度」の変化はゆっくりですが、確実に起きているはずです。
自社内をよく観察してみてください。

そこに大きなチャンスがあることが多いからです。



株式会社マーケティング・トルネード
代表取締役
satou

2009年02月05日(木)更新

高いのに買ってしまう消費心理

こんにちは。
マーケティング・トルネード佐藤です。


先日、ある出版社さんから取材を受けました。


その中で、
「価格が高いのに、買ってしまう」
こうした消費の心理についてのご質問がありました。

高いのに買うのは、なぜか?
そういった人間心理への関心は、誰でも抱きます。
それがわかれば、高く売ることが出来ると思うからでしょうか。

さて、その心理は、どういったものだと思われますか?


その取材の時に、私は、
「価格が超激安なのに、買わないという人もいますよね。
 それと一緒ですよ」
と答えてみました。

禅問答みたいになって面白いかなと思ったんです。

でも、出版社さんは「???」となってましたので、
面白くはなかったようです(苦笑)
あんまりやると怒られるのでやめました。


確かに、世の中にはびっくり仰天の高額商品があります。
エルメス(HERMES)の、バーキン(Birkin)なんて
500万円などという庶民的とは決して言えないバッグです。
それでも買う人はいます。

今日は、そんな価格についての話です。


ご安心を。ここでは、禅問答はしません。
そのかわりクイズです。
次の2つの会社(A社)と(B社)の、どちらから買いますか?


A社:トヨタクラウンG 平成18年式 走行40000キロ 無事故 白 250万円
B社:トヨタクラウンG 平成18年式 走行41000キロ 無事故 白 255万円


さて、どちらから買うでしょうか?


こう質問をすると、ほとんどの方が「そりゃA社でしょうよ」
という顔をされます。
だってね、同じ条件で走行距離が短いほうが安いっていうのなら、
そりゃそっちのほうが良いですよね。

なんだかね、新しくて安いって言うのなら、私もA社を選びます。

これは普通の反応ですし、当たり前の判断だと言えます。
それでいいんです。



A社:トヨタクラウンG 平成18年式 走行40000キロ 無事故 白 250万円
   前オーナー:暴走族
B社:トヨタクラウンG 平成18年式 走行41000キロ 無事故 白 255万円
   前オーナー:内科医の奥様


さて、これならどうですか?
A社と、B社、あなたならどちらの車を買われますか?

あなたの反応は、きっと「迷うなぁ・・・」か、「B社だなぁ」と
なっているかも知れません。


なぜ?


さて、これが、価格のメカニズムのひとつなのです。

価格を提示する直前までに、どれだけ適切(有利)な情報を
提供できているかが大事なのです。
それによって「高い」とか「安い」とかいう、主観など、
どうにでも操作されてしまうことがあるということです。


追伸
コンビニで、うまい棒1本10円。
私は迷わず買ったりします。

けど、小学校2年生が、私の横で悩んでました。
「10円かぁ。高いなぁ」

高い安いは、買う人によって違いますね。
10円で悩む姿が可愛かったです。


株式会社マーケティング・トルネード
代表取締役
署名

2009年01月07日(水)更新

売上アップの扉を開ける『マスターキー』

あけましておめでとうございます。
マーケティング・トルネードの一條です。

先月から始まった弊社のコンサルタント3人によるリレーコラム。

先月17日の弊社の佐藤のコラムでは、
『既存の顧客を、ライバル会社よりも、細かいディテールまで、
 良く理解することが出来れば、顧客を探すのが上手になれる』
というお話をしてきました。

12月24日の巽のコラムでは、
『中小企業のインターネットへのチャレンジを難しくしている要因』
についてご紹介しました。

これらのコラムから、すでに業績アップのヒントを
つかまれた方もいらっしゃるかも知れません。

私のコラムでも、何らかのヒントをつかんで頂ければとてもうれしい。
そう思って ≪気合い≫ を入れてます。
どうぞお付き合いください。

さて、私のコラム第一回目。
テーマは、『 既存の事業を上昇気流に乗せる方法 』です。

実は昨年末から、

・既存事業の売上が下がった。
・お客が減った。

という理由でコンサルティングの依頼を受けることが続いています。

同じ悩みを持たれている社長さんがいらっしゃるのであれば、
ぜひ、参考にしてもらいたい。
そう思って書きます。


まず、売上が下がると利益も下がることがほとんどです。

一方で、固定費は変わらない。
スタッフさん、社員さんの生活も心配だから、人件費もカットできない。
だから何とか売上を上げなければ・・・。

その気持ちもとてもよくわかります。

では、どうすればいいのか?

ズバリ言います。

こんなときだからこそ、やみくもに新規事業に手を出すのではなく、
じっくり腰をすえて、目の前にある既存の事業を見直してもらいたいのです。

もちろん、悠長に時間をかけている暇はありません。

だから、時間はかけずに、でも、じっくりと腰をすえるのです。

具体的には、『ある人に対して』、『あるやり方で』、『ある取り組み』を
していきます。


 ■誰に対して?(Who)
   → 『すでに御社の商品やサービスを買ってくれているお客さんに』

 ■どんなやり方で?(How)
   → 『直接会って、もしくは電話で直接話して』

 ■どんな取り組みを?(What)
   → 『なぜそのお客さんが、御社から商品やサービスを買ったのかを、
      じっくり聞く』


という取り組みです。


とても大切なことなので、もう一度繰り返します。


 ■Who: すでに御社の商品やサービスを買ってくれているお客さんに、
 ■How: 直接会って、もしくは電話で直接話して、
 ■What: なぜそのお客さんが、御社から商品やサービスを買ったのかを、
       じっくり聞く。

是非、この取り組みをしてもらいたいのです。



「そんなことしなくても理由なんて、だいたい分かってるよ・・・」

という声が聞こえてきそうです。

しかし、私の経験上、この理由をスパッと答えられる会社さんは、
間違いなく業績アップを続けていらっしゃいます。


「他社でも同じような商品(サービス)があるにも関わらず、
 なぜ、御社だったのか?」
「去年でも、来年でもよかったにも関わらず、なぜ、今だったのか?」

もし御社が今、この質問にスパッと答えられないのであれば、
今すぐ、お客さんに聞いてみて下さい。

この時、質問する相手は、すでに御社の商品やサービスを
購入してくれているお客さんにすることを忘れずに。

背景にある理論は割愛しますが、人は自分がお金を払ったものに対して、
「ダメだ」という評価を下すことは、ほぼありません。

もちろん、聞きはじめは、「ここが気に入らないんだよね」とか、
「ここがもう少しこうだったらいいんだけどね」とかいう
コメントから入るお客さんもいるでしょう。
しかし、根気強く聞いていけば、同じお客さんが最後には
「うん、でも、まぁ、買って良かったと思ってるんだよね」という
コメントに落ち着きます。

それが人の心の仕組みだからです。

仮にこれまで、「お客さんにインタビューしてみたけど、
ずっとダメ出しのコメントしかもらえなかった」というのであれば、
あともう少しだけ、じっくり聞けばいいだけなのです。

だから、すでに御社の商品やサービスを購入して下さっているお客さんに、
徹底的に根堀り葉堀り、聞いてほしい。

実際に聞くべき質問はふたつです。

 質問1.「他にも同じような商品(サービス)があるにも関わらず、
      なぜ、弊社からお買い上げ頂いたのですか?」

 質問2.「去年でも、来年でもよかったにも関わらず、
      なぜ、今だったのですか?」


お客さんからの答えの中には、必ず、「はっは~ん、そういうことか!」
という部分が出てきます。

・商品を告知するのに最適な販促手法
・お客さんに商品を説明する時に最も効果的なトーク
・最も申し込みしてもらいやすいタイミング
・リピートしてもらうための、具体的な案内の仕方 などなど。

ちゃんと聞き出せれば、これらのヒントが手に入る。
これこそが、突破口。
売上アップ、業績アップの扉を開ける『マスターキー』なのです。

お客さんに質問するのに多くの時間はかかりません。
3人のお客さんに聞いたとしても、合計1日もあれば十分です。

なのに効果は絶大。

悪いことは言いません。
やみくもに新規事業に手をつける前に。
右往左往して手遅れになる前に。

まず、この質問から突破口を見つけて頂きたい。

心からそう思っています。



さて、そろそろ第1回目のコラムを終わろうと思います。

今日はここまで、既存の事業が下火になってきたときの
取り組み方を書いてきました。
次回のコラムでは、実際にこの取り組みをした企業さんの
ケーススタディーをお話ししようと思います。

もうひとつ。
今回、やみくもに手を出すべきではないとお話しした新規事業には、
実はコツがあります。
既存事業が上昇気流に乗り、新規事業も立ち上がれば、
こんなに心強いことはありません。

そこで、次々回のコラムでは、新規事業の立ち上げ方についても、お話しします。

今回の進行の都合上、割愛した心理的な背景などについても
追い追いご紹介していきます。
ご興味がある方は、こちらも楽しみにして頂ければうれしいです。

それでは今年も、御社にとって良い年になるように。
良い年にするように、頑張っていきましょう。
また次回、この場所でお会いできることを楽しみにしています。

株式会社マーケティング・トルネード
一條仁志




過去の掲載記事

2008年12月17日 『業績アップの「直球勝負」』 執筆者:佐藤昌弘

2008年12月24日 『ネットが難しくなる理由』 執筆者:巽 大平
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