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2009年09月29日(火)更新

忘れない能力

「あの人さ、ほら、あのー、ほら、あの人だよ。あれ・・・」

最近、どうしても人の名前が思い出せないことがある。
(人の名前を覚えるのは昔から超苦手だったんだが・・・)
さらに俳優さんの名前となると、余計に悩ましい。


「歳をくってくると、余計に、物忘れが激しくなって困る」
高齢になって、そういって嘆く人も多い。


ビジネスとは関係ない話だけれど、クリニックの院長によれば、
『もしも、たった今かかってきた電話なのに、伝言を頼まれた
電話の内容と誰宛の電話だったのかが思い出せない』時には、
ちょっとヤバいらしく、物忘れ外来へと行ったほうが良いという。

*脳検査・治療センター 白鳥内科医院
 http://shiratori.webmedipr.jp/


物忘れも、あまりにも激しいとお医者さんのお世話にならないと
いけないが、もともとは「物忘れは、脳の大事な機能」だといえる。

悲しい思い出や、苦しい想い、そんなものをいつまでもリアルに
忘れられなかったら、私たちの精神は破たんしているだろう。
だからこそ、適度な健忘っていうのは大事なわけだ。

そうならないように、都合よく、なんでもかんでも覚えていないように、
ある程度は忘れるように作られているわけだ。


えーと、「これ、覚えてますか?」という話をするために、前置きがえらく
ながくなってしまった。

ビジネスっぽい話に入ろう。
今から約10年前のことを、あなたは覚えているだろうか?
1999年から2000年のヒット商品についての記憶があるだろうか?

そんなもの覚えている人は、なかなか無いと思うが、
誰も覚えていないような事だからこそ、意外な発見があるわけだ。

今から約10年前のヒット商品というと、次のようなものがある。

・甘栗むいちゃいました(食品)
・レスポートサック(ブランドバッグ)
・ブレスケア(口臭対策)
・プレステ2(ソニー)
・動物占い
・ユニクロ
・スターバックス
・QBハウス(床屋さん)
・寝台特急カシオぺア
・チェキ(ポラロイドカメラ)
・ヴィッツ(トヨタ)
・65円ハンバーガー

まぁ、もちろんこれだけではないが、結構、書かれると思いだせるはずだ。

確かに、懐かしいなぁと思うものもある。

あなたは、この一覧を見て、どう思われただろうか?
私は「あれっ?」と思ったのである。

そうである。
昔とあまり変わってないものも多いのだ。

もちろん、まったく変わっていないわけではないし、新しいライバル品の
登場に苦しんでいるものもある。

しかし、こうして見ると、単なる安売り商品というのは、
マクドナルドであっても、あっという間に消えて無くなってしまっている。

マクドナルドは安く見せているが、来店させるための増客商品と、
実際に購入させるバックエンド販売商品をしっかりと分けて考えるように
なっている。

そのほかにも、昔のヒット商品を眺めていると、いろんなことに気付いた。
日々の生活へ彩りをもたらしてくれたり、余暇などの時間を消費してくれたり、
逆に時間を節約してくれたり、そうした商品は今でも売れている。
つまり、分野としては強い分野なのだなとわかる。

そして、昔のヒット商品と、今のヒット商品を比較して気付くのは、
やはり、奇をてらっただけの商売でなく、実直に小さな改良を
積み重ねていくことが、何よりも10年間を生き抜いていく上で
大事なのだなと思わせてくれた。

10年、20年という大きなくくりで世の中を眺めてみるのも、
スピードの速い現代だからこそ、大切にしたいと思う。


株式会社マーケティング・トルネード
代表取締役
satou