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2009年03月19日(木)更新

広告に写真・イラストは使うべき?

マーケティング・トルネード佐藤です。

今日は、広告とデザインの話です。



広告を出そうと思うとき、どんな社長でも迷います。
何に迷うのか?

お金を払って効果が無ければ、まったくの無駄遣いになるのを
知っているから投資を迷うのです。

そして、広告投資で失敗しないために、専門家に
相談しようとします。

すると、昔から言われている事柄を言われます。

『広告はブランドづくりのためにも、イメージを大切にするべし』
『そのためにも写真やイラストを工夫しなければならない』
『知名度を上げるためには、何度も、繰り返し、回数を多く広告を』

誰でも、なるほどね、と唸ります。
どれも正しく聞こえますから。


本当に正しいのでしょうか?


これ、正しいのです。
意外でしたか?

私は、イメージの良さは不要だとは思いません。
会社のイメージは良いに越したことはないからです。

私は、写真やイラストを広告に使うのが無駄だと思いません。
写真やイラストのほうが、文字よりも、より多くのメッセージを
伝える力を持っているのは事実だからです。

私は、認知度の高さが不要だとは言いません。
知名度が高ければ高いほど、購入してもらえることは、
データが証明しています。


しかし、私は安易にそれを薦めたりもしません。
なぜなら、「儲かる以上にお金がかかる」からです。

イメージ重視の広告を作って、多頻度で出す。
それをやると、多額のコストがかかります。
でも、そうしたコストを超える利益が生まれてくるのであれば、
じゃんじゃんやるべきなのです。

ところが、今の時代、なかなかそうはいきません。
多くの企業にとって、広告は、
「儲かる以上に金がかかる」という状況なのです。

では、我々中小企業はどうすればいいのでしょうか?
あなたはどう考えたら良いのでしょうか?

これへの答えはもちろんひとつじゃありません。
しかし、大事なことをひとつ伝えるとすれば、これです。

『今こそ、「何を伝えるか?」に集中して欲しい』
ということです。


簡単な例をあげましょう。
仮に、「笑顔教室」というビジネスを運営している会社があったとします。

そこで「笑顔が素敵な笑顔の先生」が広告を出したとします。
だけど、これだと儲かりそうもないですよね。
あなたも、「それで売れるの?」と心配になるはずです。


しかし、「JALが笑顔を学びに来る、笑顔の先生」と内容が変わったとします。
そうすると、とたんに先ほどよりも売れるにおいがしてきませんか?

さらに、「JALが笑顔を学びに来る、笑顔の先生。就職面接セミナー」
となると、どうでしょうか。
架空のビジネスですが、先ほどよりも、さらに売れる気配が増します。


なぜでしょうか?
どうして売れる気配が増すのでしょうか?

それは「何を伝えるか」の「何」を考えているからです。
写真やイラストは、「どう伝えるか」の「手法」なのです。


この「笑顔の先生」の広告を作るとき、笑顔を表現する方法として、
イラストの方が効果的なら、イラストを使えばいい。
笑顔の写真を掲載したほうが効果的になるのなら、写真を使えばいい。

しかし、「何を伝えるか」の部分を、置き去りにしたまま、写真を使うべきか、
イラストは効果的か、を議論しても無益なのです。

『広告はブランドづくりのためにも、イメージを大切にするべし』
『そのためにも写真やイラストを工夫しなければならない』
『知名度を上げるためには、何度も、繰り返し、回数を多く広告を』
これは正しいですが、今のようなシビアな時代は、
それ以前に、「何を」をしっかり考えるのが大事です。

ぜひ、広告作りの際に、少しだけ思い出して欲しいです。



株式会社マーケティング・トルネード
代表取締役
satou

2009年01月30日(金)更新

売上5倍のチラシの秘密

こんにちは。
マーケティング・トルネードの一條です。

弊社は名古屋に本拠地があるのですが、名古屋でも寒い日が続いています。
かと思えば、ポカポカの日もあったり。

寒暖の差が大きい地域にお住まいの方もいらっしゃると思います。
まずはご自愛ください。

さて、今日のコラムです。

今日は、前回の続きをお話しすると書きました。
前回お話ししたのは、『売上アップするための突破口』の見つけ方でした。
具体的に言うと

・すでに御社の商品やサービスを買ってくれているお客さんに、

・直接会って、もしくは電話で直接話して、

・なぜそのお客さんが、御社から商品やサービスを買ったのかを、
 じっくり聞く。

こうすることで、御社の売上を増やしたり、お客さんを増やしたりする
大きなヒントが見つかるという話です。

では、実際にこの取り組みを行うとどのようなことが起こるのか。
今回は、実際にこの取り組みをした企業さんの例をお話しします。

業種を問わず、「自分だったらどうかな?」と考えて頂くと、良いヒントに
なるはずです。


■「私たちは」から「私は」へ

地方都市で創業したばかりのリフォーム屋さんからコンサルティングを
依頼されたことがあります。
営業から工事まで、社長さんがひとりでされているリフォーム屋さんでした。

創業してまだ2年。
社長さんからすると、お客を集めるために必要な要素が足りません。

・やっぱりリフォームを依頼してもらうには、社員さんが何人もいる
 会社じゃないといけないはず。でも、うちは自分ひとりきり・・・
・リフォームを依頼してもらうには、ちゃんとしたオフィスを
 持っていないといけないはず。でも、うちは自宅が事務所を兼ねている・・・
・信頼されるためには、もう何年も事業を続けていなければならないはず。
 でも、うちはまだ創業2年・・・

それでも、受注を取らなければなりません。
だから、自分のデメリットを隠して、ちゃんとした会社に見えるように、
装うわけです。
集客のツールは、折込みチラシだけでしたので、チラシで大きな会社を
装います。

・本当は1人しかいない会社なのに、チラシには「私たちが」と複数形で書く。
・自宅を兼ねている事務所の写真は載せられないから、施工現場の
 写真しか載せません。
・自社の社歴ではなく、外注の大工さんの経歴を使って、「弊社は
 創業30年の大工技術を持っています」と書く。

しかし、思うように受注がとれない。
このままではどんどんジリ貧になっていく・・・。
そこで、お客さんに「なぜ、自社から買ってくれたのかを聞いてみる
取り組み」をしたのです。

最初はおそるおそる聞いてみました。
「なぜ、他社さんではなくうちだったんですか?」

すると、意外な答えが返ってくる。
お客さんは、「それはあなたがひとりでやってるからですよ」と言うのです。

どういうことか分からず、根掘り葉堀り聞いてみたところ、お客さんの
理由はこうでした。

・ひとりで営業から工事までやっているから、営業マンに言ったことが
 現場に伝わらないということがない。
・何か相談をした時に「上司に聞いてみますね」と、はぐらかされることがない
・自宅も分かっているので、何か問題があっても逃げられたりしないという
 安心感がある
・費用についても担当者が社長なので、即断即決してもらえる

何人ものお客さんが、口をそろえたように同じ理由を言うのです。
そうであれば、この理由をチラシに書けば、お客さんはもっと集まるはずです。

でも、今まで「私たちが」と言ってきた会社です。
今さら「実は、私、ひとりでやってます」と言うのは怖い。
当然です。

しかし、このリフォーム屋さんは、チラシの内容を変えました。

「私はひとりでやっています。
 だから、営業マンに言ったことが現場に伝わらないということがありません。
 何か相談を頂いた時に『上司に聞いてみますね』とはぐらかすこともありません。
 生まれも育ちも、地元です。自宅が事務所ですので、逃げも隠れも出来ません。
 費用もその場で、白黒はっきり決断することが出来ます」

チラシにこの内容を反映させて配った結果、どうなったか?

たった半年で、前年の5倍の売上を達成することになりました。


これはコンサルタントとしての私の想いですが、どんな会社さんにも、
すでに御社の商品やサービスを購入して下さっているお客さんに、
その理由を徹底的に根堀り葉堀り、聞いて頂きたい。

・今、業績が上がっているのであれば、それをさらに伸ばす方法が分かるからです。
・今、業績が落ち込みかけているのであれば、そこから脱出するヒントが
 手に入るからです。
・今、苦しい状況にあるなら、そこから浮き上がるきっかけが見つかるからです。

コストはかかりません。しかし、効果は絶大。
是非、試してみてください。

さて、そろそろ今回のコラムを終わろうと思います。
次回は、新規事業の立ち上げ方についてお話ししようと思います。
それでは次回、また、この場所でお会いしましょう。

株式会社マーケティング・トルネード
一條仁志



過去の掲載記事
2009年1月7日 『売上アップの扉を開ける『マスターキー』』 執筆者:一條仁志

2009年01月15日(木)更新

広告を見直す「別の方法」

こんにちは。
マーケティング・トルネードの佐藤です。

今日は広告の話です。
少し変わった話ですが、こうした考え方を知っておくのも
良いと思ってお話ししてみます。

さて、誰もが売上を上げたいと願います。
だからこそ、世の中の顧客に対して、自社のサービスや
商品をアピールしていく。
そうした行為のことを「営業活動」とか「広告宣伝活動」とかいうふうに
呼んだりもします。

・営業マンを使って新規訪問を繰り返して世に広めようとする。
・マスコミに取り上げてもらえるように働きかける。
・新聞広告でセミナーを告知して人を集める。
・屋外立て看板を設置して地元に知ってもらう。
・イベントを開催して集客する。
・新聞折り込みチラシで広く告知をする。
・テレビCMを制作して放送してもらう。

これらは、すべて冒頭に書いた通り、「世の中の顧客に対して、
自社のサービスや商品をアピールしていく行為」という部分で「仲間」です。

もうひとつ「仲間」である要素があります。
それはタダじゃないということです。
人件費であったり、媒体費だったり、印刷費だったり、名前は違いますが、
コストがかかるのには違いありません。

結局のところ、お金(コスト)をかけてアピールをする。
そしてコスト以上のお金を回収し、利益を出すのが目的です。
つまり儲けるための投資というわけです。

何が言いたいのかというと、「どうせ儲けるための投資」をしていく
のなら、さまざまな観点から、定期的に見直しをして欲しいという話です。


「見直せって言っても、もうやってるよ」
と言われてしまうかも知れないですね。


確かに、【新聞広告に140万円を投じて、来店10人】で散々な目に
あったというレストランもあります。
儲かったのは新聞社と、広告代理店だけ・・・。
そんな話もゴロゴロ転がっています。
見直すっていっても、やれるだけの事はやったよと、皆が言います。


だからといって、打つ手が無いと考えるのは早計なのです。

広告を見直すコツには、2種類あるからです。
一つ目は、広告の反響率をアップさせるための見直しです。
ほとんど99%の会社は、その方向性で広告を見直そうとします。

しかし、別の方向性もあるのです。
「広告の反響は、今のままでも、十分に利益が出せるような仕掛けを
考えられないか?」という方向性で見直すのです。


例えばですね、
「チラシをタクシーに仕掛けた。1500枚に1件の電話があった」
それを1000枚に1件の高反応に引き上げたい。これが前者の方向性です。
そうではなくて、チラシの反響率が1500枚に1件から、
2000枚に1件と落ちても、利益が出せるようにするためには、
どんなアイデアがあるか?
これが後者であり、そうした方向性で考えてみるのも「アリ」なのです。

例えば、中古車販売の会社があったとします。その会社が広告を出しました。
30万円の広告を出して、5件の問い合わせがありました。

この場合、最低でも、5件で30万円の利益を出せなければ赤字です。
ところが、現実には5件で25万円しか利益が出せていないとします。

さて、あなたならどうしますか?

ここで仮に、広告の反響を上げる検討をするのは禁止するとします。
つまり、今の反響の範囲でビジネスをやっていくのが決まりだとすると、
どうすれば良いんでしょうか?


中古車販売会社が、自動車保険を売るのはどうでしょうか?
車は売れなくても、顧客が乗ってきた車の保険だけでも
スイッチさせられないでしょうか。

自動車以外のリサイクルビジネスは出来ませんか?
部品は売れませんか?

広告の反響をアップさせるのが難しくても、少ない顧客から最大の利益を
あげられないかと、いろいろと知恵を絞ってみて欲しいのです。


例えば、リフォームの業界でも同じです。

A社は、住宅リフォーム会社で、経営が立ちゆかないと
苦しんでいる会社です。B社も、住宅リフォーム会社ですが、
保険も、家具リサイクルも、看板設置ビジネスも、と手がけている会社です。

さて、ここに10000枚配れば1件は電話がかかってくるという
チラシがあります。
「あっ、それ、興味あります!」と手を上げるのは、
A、Bどちらの社長かは明らかです。

ただ何となく、数カ月の間、広告の反響率をアップさせる改善策を
試行錯誤するのも良いでしょう。
しかし、もしかしたら数カ月もあれば、こうした別の見直しが
完成していたかも知れないのです。

今回は、少し変わった考え方かも知れませんが、
こうした考え方もあるということを知っておくのも良いと思って
お話ししてみました。


ではまた。次回

株式会社マーケティング・トルネード
代表取締役
署名

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