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2009年03月06日(金)更新

同業に笑われるくらいで丁度いい

いつもご愛読ありがとうございます。
マーケティング・トルネードの巽です。

真面目で、勉強熱心で、責任感が強く、
深い専門知識を持っているサイトオーナーほど、陥りがちなミスがあります。

それは、「書いてある文章が難しい」という問題です。

弊社のクライアントの例で言うと、
「就業規則の作成」というサービスを売っている社労士さんや、
「法手続きの代行」というサービスを売っている行政書士さんなど、
専門的なサービスを提供している方に多くみられる現象です。

けれども、ホームページにやってくるお客さんは、
あなたの仕事やサービスの内容をを知り尽くしているプロではありません。
分からないからこそ、情報収集を行っているのです。

「分からないこと」「できないこと」を肩代わりするサービスを
提供しているにもかかわらず、一定の知識を持った人にしか
理解できない文章で埋め尽くされているとしたら、どうでしょう?

「そこに書いてある文章を読みこなせるくらいなら、アンタに頼んじゃいませんよ。」
という声が聞こえてきそうです。

では、どうすればよいのか?月並みな言い方になりますが、
「簡単で、簡潔で、分かりやすい」文章を作成するように
心がけて頂きたいのです。

具体的には、

・一文を短く
・平易な言葉でわかりやすく
・ときには比喩や別のものに置き換え

といった、あなたなりに翻訳する努力を行ってほしいのです。

これはなにも、面白い文章を書いたり、文法的に間違いのない文章を
書けっていうわけじゃないんですよ。


たとえば、パソコンに搭載されている、「メモリ」と「ハードディスク」。
両者の違いを説明しなければならないとしたら、あなたならどう答えますか?

「メモリは机の大きさで、ハードディスクは引出しの大きさ。
どちらも大きいに越したことは無いけれど、最後は財布と相談だわな。」
こんな説明をするかもしれません。

なんとなく分かったような気になりますが、
コンピュータの専門家から言わせると、何も説明されていないに等しいですよね。

でも、それでいいんです。
お客さんからすれば、あなたが自分の期待に応えてくれそうな人なのかどうか、
吟味するための材料としてあなたからの情報を受け取っているのですから。


そういうと、こんな心配をされる方がいます。

「あまり簡単な文章ばかりだと、同業からバカにされるんじゃないかと心配なんです。」

でも、よく考えてみてください。

あなたの情報を必要としている人は、あなたのライバルではないはずです。
あなたが情報を提供したいと思っている人も、あなたのライバルではないはずです。

それは、店舗を営む焼き肉屋さんであっても、
カー用品を取り扱うショップであっても、
専門サービスを提供している先生であっても同じ。

あなたが向き合うべきお客さんが誰なのかを考えれば、
そこで使われる言葉や表現も、きっと変わってくるはずです。

「分かりやすい」からこそ、親しみも持てるわけです。
「理解できる」からこそ、関係も築けるのです。

もちろん、内容を正確に保持したまま、分かりやすく噛み砕いて
表現することは至難の業です。ときには、分かりやすさを優先するが故に、
中途半端な情報になってしまうことへのストレスを感じることもあるでしょう。

しかし、忘れないでほしいのです。
あなたの情報を待っているお客さんは、あなたのビジネスのプロではない事を。
だからこそ、あなたの言葉で翻訳されたコンテンツには価値があるのです。


そうです。
ホームページに掲載する情報は、同業に笑われるくらいで丁度いいのです。


株式会社マーケティングトルネード
巽大平

2009年02月27日(金)更新

儲かる理由の「鮮度」

マーケティング・トルネードの佐藤昌弘です。

今の私は経営コンサルタントというのが仕事です。
しかし、コンサルタントになる以前は、自分で創業した
住宅リフォーム会社を経営していました。

泥臭い社長業を何年もやっていたからこそ、そのころの私は、
「コンサルタントに何がわかるもんか。口先だけのくせに。
 他人の世話焼いてねーで自分の心配してろ。ばかたりーが!」
と思っていたものです。

今は、私がそんな過去を持っているとは知らないクライアント顧客ばかり
ですから、逆にそう思われている立場かも知れません。
不思議な感じです。

しかし、第三者的な視点で、冷静に見ることが出来る良さもあるのです。
コンサルタントになって初めて気づけた事も多いのです。
今日はそんな話をしたいと思います。


さて、こういう仕事をしていますと、
世の中には、「うわっ、すげーなぁ。儲かってんなー」
と、びっくらこく企業に出会うことが、よくあります。

そういう会社は、確かに存在しています。

逆に、「どうしてこうも運が悪いのか・・・」と、
何か除霊でもしてもらったほうが良いのかもと、
冗談半分で思いたくなるほどツイてない会社もあります。

本当に確かに、そういう会社も存在してるのです。


コンサルタントになると、こうした貴重な活きた現場の
ケーススタディを数多く知ることができます。
数多くの事例に触れるからこそ、ある共通項に気づくこともあるのです。

では、儲かっている会社は、創業当初から激儲かりだったのか?
では、儲かっている会社は、未来もずっと激儲かりが続くのか?

私の過去の経験から言えば、NOだと思います。



江戸時代末期の「安政」と呼ばれた時代に創業されたという会社があります。
日本の元号で言えば、
「安政-万延-文久-辛酉-元治-甲子
     -慶応-明治-大正-昭和-平成」
となります。
おそろしく寿命の長い企業さんです。

長い歴史の間には、儲かっていた時期があります。
しかし今は、少々苦しんでらっしゃています。

長い歴史があれば安泰かというと、そうでもありません。
ご存知の通り、ウェッジウッドという老舗の陶磁器メーカーなどは、
事実上経営破たんしてしまいました。
長くやってれば良いというものでもないようです。


反対に、ずっと繁栄を続けている会社に共通しているのは
何かという視点で考えてみると、あることに気付きます。

具体的なクライアント顧客のケースは出せないので、
誰もが知っているケースでお話ししましょう。

あの、トヨタグループはどうでしょうか。
まぁ、今回の一件ではトヨタでさえ想像してなかった早さで
危機がやってきたようです。
しかし、もともとは自動織機という事業から、自動車部という
部署が出来て、それが別会社化してトヨタ自動車となっています。

織物を作る機械を作っていた会社から、自動車を作る会社が生まれたわけです。
おそらく近い未来には、ロボット産業へと発展を遂げようと準備を
しているのではないかなと個人的に想像しています。


同じようなケースを探せば数々あります。
DHCさんも、もともとはDaigaku Honyaku Centerという洋書の翻訳が本業でした。
そうです。あのサプリメントのDHCさんです。
今では健康食品から、エステ、スパ経営へ、さらには医薬品事業へ進出するなどの
広がりを見せていらっしゃいます。


つまり、私の考えでは、儲かる理由には「鮮度」があると思うのです。

儲かる理由の「鮮度」が落ちる前に、次の展開のための準備を始める。
織機の魅力が時代とともに薄くなっていく前に、自動車への準備を。
サプリメントの魅力が時代とともに薄くなっていく前に、医薬品への準備を。

この次への展開のための準備は、何年もかかるものもあれば、
明日からすぐに成果が現れるものもあります。


例えば、何世代も酒蔵を営んできた日本酒の酒造メーカーが、
お漬物を漬けるためのものとして販売していた「麹(こうじ)」を、
ある日、「お肌がピカピカになる生麹パック」として酒販店で売り始める。
これは、やる気になれば1週間で商品化できます。

こうした次への展開は、本当に即座に出来るものが多くあるのですが、
その着眼点を知らない会社が多いだけなのです。

もちろん、今の事業とは違う、新規事業へと参入するだけが
「鮮度」を維持する方法ではありません。
ある化粧品メーカーは、無添加化粧品から、ナノ技術を使った化粧品へと
その「鮮度」を変化させていきました。

別に、既存事業と分野の違う新規事業に参入したわけではありません。
化粧品事業をずっと継続させています。

キティちゃんも、ずっとキティちゃんですが、鮮度を保つように変化
をしていますよね。

「変化が大切」とは、頭では理解していましたが、
こうした「鮮度」の維持という別の言い方をしても、
理解が進むと思ったのです。

繁栄し続けている企業の中で、ずっと変化せずに済んでいる会社を
探すほうが、やはり難しいことをいまさらながらに気づいたのです。

特別なことを言っているわけではないことは、理解しています。
しかし、奇をてらわず、基本的なことも思い出していただく事も
大切だと思いました。

あなたの会社に対しての顧客からのニーズは、
果たして10年前とまったく同じでしょうか。
その「鮮度」の変化はゆっくりですが、確実に起きているはずです。
自社内をよく観察してみてください。

そこに大きなチャンスがあることが多いからです。



株式会社マーケティング・トルネード
代表取締役
satou

2009年02月20日(金)更新

超・自然体での新規事業立ち上げ

マーケティング・トルネード一條です。

先日、弊社の近所で桜が咲いているのを見かけました。
早く咲く種類なのでしょうか。少しずつ高くなってきた
太陽の光に照らされている薄いピンクの花びら。
なんだか春を先取りした気分になれました。

さて、今回は、新規事業の立ち上げ方についてお話をすると言いました。

ちょうど、新しいクライアントさんから、新規事業の立ち上げ
についての相談を頂いているので、ご紹介します。


この会社さんは地元で55年間、工務店を続けてこられた会社さんです。

これまでは、ゼネコンさんや、地元の別の工務店さんからの
仕事の請負が売上の柱だった。

しかし、請負にばかり頼っていると怖いので、自分でお客さんから
仕事を受ける新規事業をスタートさせたい。

どうすればいいのかという相談を頂いたわけです。


■ 超・自然体の新規事業スタート


世の中には、たくさんの、『新規事業立ち上げノウハウ』があります。

新規事業というと、「新しいことをするのだ!」という
決意に満ちた顔をされる社長さんもいらっしゃる。

相当の気合いを入れて、全力で新しい取り組みにぶつかっていく。
こういう方法がうまくいくこともあると思うのです。


でも、あえて私は、少し肩の力を抜いた
【超・自然体での新規事業の立ち上げ】をお勧めしています。

そうすることで、『そもそもムリな事業』に手を出さなくても
よくなるからです。


■ 御社の中にある資源を徹底活用!


この【超・自然体での新規事業立ち上げ】のやり方は、とても簡単。
下記の3つのステップで完了です。

 ◆ステップ1.
  まず、これまでのお客さんのリストを出してくる。

  この中には、既存のお客さんもいれば、見込みはあったけど
  まだ買ってくれていないお客さんもいてOKです。

  可能であれば、リストは紙で用意できるとなおさらGOODです。


 ◆ステップ2.
  そのリストをペラペラとめくりながら、次の質問に答えてみる。

  「この人・会社から問い合わせを受けたけど、断ったことは何だった
   だろうか?」

  どんな会社でも、5つくらいは、『問い合わせを受けたけど断ったこと』
  があるはずです。
  多い会社になると、10とか、20とかになることもある。
  それでOKです。
  お客さんのリストをめくりながら、出せるだけ出してみて下さい。

 ◆ステップ3.
  上記の2で書きだした項目を見ながら、『今、すぐ出来ること』
  は何かを考えて、やってみる。


これだけです。


このプロセスを行った結果、ある建材屋さんは、
入浴剤用に【ヒノキの削りクズ】を販売することになりました。

法人に文房具を届けていた文房具屋さんは、
引っ越し用に【自社のミニバン】を、貸し出すようになりました。


いずれも、これまで問い合わせを受けてはいたけれど、
断り続けてきた内容が新規事業になったのです。


建材屋さんはそれまで、通りがかりの人から「このヒノキの
削りクズ、ちょうだいよ」と言われていたのを断っていました。
ヒノキの削りクズなんて、ゴミだと思っていたからです。


文房具屋さんは、時々、「このミニバンって、借りること出来ませんか?」
と聞かれていたのを、断っていました。
だって、自分たちは文房具屋さんであって、レンタカー屋さんではないからです。


しかし、です。

そもそも、お客さんは、
【自分が欲しいものをドンピシャで扱っている会社】
があるのであれば、その会社に問い合わせをしているはずです。

また、もしも御社が、
【そのお客さんが欲しいものをゼッタイに扱っていなさそうな会社】
に見えるなら、問い合わせすら受けていないはずです。


つまり、御社がこれまでに「これ、出来ない?」と聞かれたけれど
断ってきた内容は、

・それを扱うドンピシャの会社がなく
・かつ、御社に扱えそうな商品・サービス

であるわけです。


当然、競合もいない。

まさに、新規事業天国です。


もちろん、少しばかりのアレンジは必要かも知れません。
上記でご紹介した建材屋さんは、これまで捨てていたヒノキの
削りくずを、冷凍ミカンが入っているようなナイロンの網袋に入れました。

文房具屋さんは、お客さんにミニバンだけを貸すのではなく、自社スタッフ
が運転をするという条件で、【運転手つきミニバン】を貸し出すようになりました。
文房具の配達がない日だけ、の限定です。


しかし、大きな初期投資はかからない。

結果、最小のコストで新しい事業が立ち上がっていったのです。


最初は小さな一歩かもしれません。
しかし、どんなに小さくても、芽さえ出れば、それでいい。

1あるものを100にするノウハウはいくらでもあるからです。

けれど、0を1にするのはとても難しい。
だからこそ、
『これまでに問い合わせを受けたけど、断ってきたこと』
を確認してみるのです。



ただやみくもに広告やチラシを使ったパワーマーケティングを考える前に。

新規事業を始める際には、是非、思い出して頂きたいと思っています。



冒頭でご紹介した工務店さんには、今の事業を伸ばすアイデアと一緒に、
「これまで問い合わせを受けたけど断ったこと」の棚卸しを
アドバイスしました。

どんな結果が出るか?
あっという間に立ち上がっていく新規事業のネタが
見つかるかも知れません。

またこのブログでもご紹介していきますね。




マーケティング・トルネード
一條仁志

2009年02月13日(金)更新

お客さんは、いったい誰?

いつもご愛読ありがとうございます。
マーケティングトルネードの巽です。

先日、サイトリニューアルを検討しているという方からご相談がありました。
ある教材をネット販売しているそうなのですが、サイトの開設以来、
注文が全くないのだそうです。

本人いわく、売れない理由が分からない。
だからリニューアルを繰り返すといった悪循環で、
これまでにかかった費用は数百万円に及ぶそう。
このままでは資金が底をついてしまうということで、
お問い合わせをいただいたようでした。


確かに、実際のサイトを見てみると、素人さんが作った外観ではありません。
デザイン処理もなされていて、写真素材等のクオリティも悪くない。
素人目からすると、儲かっていそうな雰囲気さえするサイトでした。


しかし、私にはどうしても引っかかることがありました。
それは、誰にとって役立つ商品なのか、全く理解できなかったからです。

そこで私は、単刀直入にこう聞いてみました。
「ところで、誰に向けてのリニューアルのご予定なんですか?」

すると、帰ってきた答えは、
「誰というより、売上アップのためのリニューアルです。」


この時点で私は、「今はまだ、その時期ではないな。」と感じました。
というのも、誰のために作るサイトなのかを把握できていない状況では、
売れるホームページなど作れるはずがないからです。

ネットマーケティングをうまく機能させるには、

1.自分のお客さんは誰なのか
2.彼らは何を求めているのか
3.自分はお客さんにどのようなメリットを提供できるのか
4.その根拠は何なのか?

を1セットで考える必要があります。

つまり、「自分のお客さんは誰なのか」の特定こそが、
全ての始まりだといっても過言ではないのです。

もちろん、それは仮定であっても構いません。
何事も試行錯誤はつきものです。

大切なことは、自分がいま取り組んでいることが、
上記のセットのどの部分に該当することなのかを強く意識すること。
それだけで、見当はずれなリニューアルの誘惑から免れることができるはずです。


ちなみに、冒頭のご相談者さんのリニューアルは、丁重にお断りしました。
なぜなら、今の彼に必要なことは、リニューアルではなく
自分のお客様が誰なのかを知ることだからです。

弊社にお金を使っていただければ、確かに弊社は儲かりますが、
もう2度と、同じ間違いを繰り返してほしくなかったのです。

けれども、もし彼が「●●の人のためにリニューアルをしたいんです」と
声をかけてきてくれたなら、その時は喜んでお手伝いしたいと思います。


株式会社マーケティングトルネード
巽大平

2009年02月05日(木)更新

高いのに買ってしまう消費心理

こんにちは。
マーケティング・トルネード佐藤です。


先日、ある出版社さんから取材を受けました。


その中で、
「価格が高いのに、買ってしまう」
こうした消費の心理についてのご質問がありました。

高いのに買うのは、なぜか?
そういった人間心理への関心は、誰でも抱きます。
それがわかれば、高く売ることが出来ると思うからでしょうか。

さて、その心理は、どういったものだと思われますか?


その取材の時に、私は、
「価格が超激安なのに、買わないという人もいますよね。
 それと一緒ですよ」
と答えてみました。

禅問答みたいになって面白いかなと思ったんです。

でも、出版社さんは「???」となってましたので、
面白くはなかったようです(苦笑)
あんまりやると怒られるのでやめました。


確かに、世の中にはびっくり仰天の高額商品があります。
エルメス(HERMES)の、バーキン(Birkin)なんて
500万円などという庶民的とは決して言えないバッグです。
それでも買う人はいます。

今日は、そんな価格についての話です。


ご安心を。ここでは、禅問答はしません。
そのかわりクイズです。
次の2つの会社(A社)と(B社)の、どちらから買いますか?


A社:トヨタクラウンG 平成18年式 走行40000キロ 無事故 白 250万円
B社:トヨタクラウンG 平成18年式 走行41000キロ 無事故 白 255万円


さて、どちらから買うでしょうか?


こう質問をすると、ほとんどの方が「そりゃA社でしょうよ」
という顔をされます。
だってね、同じ条件で走行距離が短いほうが安いっていうのなら、
そりゃそっちのほうが良いですよね。

なんだかね、新しくて安いって言うのなら、私もA社を選びます。

これは普通の反応ですし、当たり前の判断だと言えます。
それでいいんです。



A社:トヨタクラウンG 平成18年式 走行40000キロ 無事故 白 250万円
   前オーナー:暴走族
B社:トヨタクラウンG 平成18年式 走行41000キロ 無事故 白 255万円
   前オーナー:内科医の奥様


さて、これならどうですか?
A社と、B社、あなたならどちらの車を買われますか?

あなたの反応は、きっと「迷うなぁ・・・」か、「B社だなぁ」と
なっているかも知れません。


なぜ?


さて、これが、価格のメカニズムのひとつなのです。

価格を提示する直前までに、どれだけ適切(有利)な情報を
提供できているかが大事なのです。
それによって「高い」とか「安い」とかいう、主観など、
どうにでも操作されてしまうことがあるということです。


追伸
コンビニで、うまい棒1本10円。
私は迷わず買ったりします。

けど、小学校2年生が、私の横で悩んでました。
「10円かぁ。高いなぁ」

高い安いは、買う人によって違いますね。
10円で悩む姿が可愛かったです。


株式会社マーケティング・トルネード
代表取締役
署名

2009年01月30日(金)更新

売上5倍のチラシの秘密

こんにちは。
マーケティング・トルネードの一條です。

弊社は名古屋に本拠地があるのですが、名古屋でも寒い日が続いています。
かと思えば、ポカポカの日もあったり。

寒暖の差が大きい地域にお住まいの方もいらっしゃると思います。
まずはご自愛ください。

さて、今日のコラムです。

今日は、前回の続きをお話しすると書きました。
前回お話ししたのは、『売上アップするための突破口』の見つけ方でした。
具体的に言うと

・すでに御社の商品やサービスを買ってくれているお客さんに、

・直接会って、もしくは電話で直接話して、

・なぜそのお客さんが、御社から商品やサービスを買ったのかを、
 じっくり聞く。

こうすることで、御社の売上を増やしたり、お客さんを増やしたりする
大きなヒントが見つかるという話です。

では、実際にこの取り組みを行うとどのようなことが起こるのか。
今回は、実際にこの取り組みをした企業さんの例をお話しします。

業種を問わず、「自分だったらどうかな?」と考えて頂くと、良いヒントに
なるはずです。


■「私たちは」から「私は」へ

地方都市で創業したばかりのリフォーム屋さんからコンサルティングを
依頼されたことがあります。
営業から工事まで、社長さんがひとりでされているリフォーム屋さんでした。

創業してまだ2年。
社長さんからすると、お客を集めるために必要な要素が足りません。

・やっぱりリフォームを依頼してもらうには、社員さんが何人もいる
 会社じゃないといけないはず。でも、うちは自分ひとりきり・・・
・リフォームを依頼してもらうには、ちゃんとしたオフィスを
 持っていないといけないはず。でも、うちは自宅が事務所を兼ねている・・・
・信頼されるためには、もう何年も事業を続けていなければならないはず。
 でも、うちはまだ創業2年・・・

それでも、受注を取らなければなりません。
だから、自分のデメリットを隠して、ちゃんとした会社に見えるように、
装うわけです。
集客のツールは、折込みチラシだけでしたので、チラシで大きな会社を
装います。

・本当は1人しかいない会社なのに、チラシには「私たちが」と複数形で書く。
・自宅を兼ねている事務所の写真は載せられないから、施工現場の
 写真しか載せません。
・自社の社歴ではなく、外注の大工さんの経歴を使って、「弊社は
 創業30年の大工技術を持っています」と書く。

しかし、思うように受注がとれない。
このままではどんどんジリ貧になっていく・・・。
そこで、お客さんに「なぜ、自社から買ってくれたのかを聞いてみる
取り組み」をしたのです。

最初はおそるおそる聞いてみました。
「なぜ、他社さんではなくうちだったんですか?」

すると、意外な答えが返ってくる。
お客さんは、「それはあなたがひとりでやってるからですよ」と言うのです。

どういうことか分からず、根掘り葉堀り聞いてみたところ、お客さんの
理由はこうでした。

・ひとりで営業から工事までやっているから、営業マンに言ったことが
 現場に伝わらないということがない。
・何か相談をした時に「上司に聞いてみますね」と、はぐらかされることがない
・自宅も分かっているので、何か問題があっても逃げられたりしないという
 安心感がある
・費用についても担当者が社長なので、即断即決してもらえる

何人ものお客さんが、口をそろえたように同じ理由を言うのです。
そうであれば、この理由をチラシに書けば、お客さんはもっと集まるはずです。

でも、今まで「私たちが」と言ってきた会社です。
今さら「実は、私、ひとりでやってます」と言うのは怖い。
当然です。

しかし、このリフォーム屋さんは、チラシの内容を変えました。

「私はひとりでやっています。
 だから、営業マンに言ったことが現場に伝わらないということがありません。
 何か相談を頂いた時に『上司に聞いてみますね』とはぐらかすこともありません。
 生まれも育ちも、地元です。自宅が事務所ですので、逃げも隠れも出来ません。
 費用もその場で、白黒はっきり決断することが出来ます」

チラシにこの内容を反映させて配った結果、どうなったか?

たった半年で、前年の5倍の売上を達成することになりました。


これはコンサルタントとしての私の想いですが、どんな会社さんにも、
すでに御社の商品やサービスを購入して下さっているお客さんに、
その理由を徹底的に根堀り葉堀り、聞いて頂きたい。

・今、業績が上がっているのであれば、それをさらに伸ばす方法が分かるからです。
・今、業績が落ち込みかけているのであれば、そこから脱出するヒントが
 手に入るからです。
・今、苦しい状況にあるなら、そこから浮き上がるきっかけが見つかるからです。

コストはかかりません。しかし、効果は絶大。
是非、試してみてください。

さて、そろそろ今回のコラムを終わろうと思います。
次回は、新規事業の立ち上げ方についてお話ししようと思います。
それでは次回、また、この場所でお会いしましょう。

株式会社マーケティング・トルネード
一條仁志



過去の掲載記事
2009年1月7日 『売上アップの扉を開ける『マスターキー』』 執筆者:一條仁志

2009年01月23日(金)更新

インターネットの落とし穴

こんにちは。
マーケティング・トルネードの巽です。

さて、今日は前回の続きです。
インターネットには、他の手段や媒体とは、大きく異なる特性が
あるとお話ししましたが、みなさんは何だと思われますか?

先に答えを言ってしまうと、「何でもできてしまう」という性質なのです。

「なんのこっちゃ?」と、拍子抜けされた方もいるかもしれませんが、
実は、これが色々とやっかいな問題を引き起こすのです。

例えば、ホームページでの集客に悩む方に、
そもそもホームページを作った目的をうかがうと、

「そりゃ、会社の事を知ってもらって、
 注文をしてもらうために決まってるじゃないですか」

と真顔でお答えになります。けれども、

「では、まだ見ぬお客さんは、どんな経路で御社のサイトの存在を知り、
どんな条件がそろうことで注文に至るのでしょう?」

と聞いてみると、途端に浮かない顔をされる方が多いのです。

つまり、「大きな目標や期待」はあるものの、
それらを実現するための「小さな手段」が曖昧なまま運用されているケースが
圧倒的に多いのです。

これがオフラインでの取り組みであったなら、
チラシの反応がまずかった時点で、何らかの手を打ち始めることでしょう。
マーケティングプロセス全体の中で、どの部分の流れがスムーズではないのかが、
分かりやすいからです。

しかし、これがインターネットになると、どの部分に手を入れればいいのか、
的確に判断できる会社さんはまだまだ少数です。
様々な役割を持たせられるインターネットならではの悩みと言えるかも知れません。

その結果、どこを改善すべきなのかはっきりしないまま、
なんとなくリニューアルを繰り返す会社さんが多いのです。

こうした状況から抜け出すには、どうすればよいのでしょうか?
それには、まずはサイトに担わせる役割を明確に決めることです。
慣れないうちは、その役割は1つ。
それも、できるだけシンプルな方がよいでしょう。

例えば、チラシの情報の補完をすることだけを当初の目的にしてみる。
現場見学会のチラシを3万枚配っているのなら、
当日の見どころを詳細に説明したサイトがあることをチラシに掲載しておく。

あなたが動画で話している姿を掲載してもいいし、
デジカメの写真を手当たり次第に貼るだけでも良いんです。
別に、「いかにも企業のホームページ」みたく、小奇麗なデザインにする必要はありません。

なぜなら、「信頼を持っていただく」「安心感を持っていただく」という役割は、
また次のステップで実装すればよいのですから。
(次に何をすればよいかは、実は、閲覧者が教えてくれることになるのです。)


仮に来場者が5人だったとしても、50人がサイトを見に来てくれていたのだとしたら、
次の一手を考えるのが楽しくなってきませんか?

そうした小さな成功の積み重ねが、モチベーションを長く保つ秘訣であるとともに、
ホームページを大きく育てるきっかけになります。

幸いなことに、インターネットの世界は、
あらゆる結果を数字として残すことができます。
あなたがホームページを運営する目的は何でしょうか?
今一度、ご検討いただければ幸いです。

では、また次回お会いしましょう。


株式会社マーケティング・トルネード
巽 大平

2009年01月15日(木)更新

広告を見直す「別の方法」

こんにちは。
マーケティング・トルネードの佐藤です。

今日は広告の話です。
少し変わった話ですが、こうした考え方を知っておくのも
良いと思ってお話ししてみます。

さて、誰もが売上を上げたいと願います。
だからこそ、世の中の顧客に対して、自社のサービスや
商品をアピールしていく。
そうした行為のことを「営業活動」とか「広告宣伝活動」とかいうふうに
呼んだりもします。

・営業マンを使って新規訪問を繰り返して世に広めようとする。
・マスコミに取り上げてもらえるように働きかける。
・新聞広告でセミナーを告知して人を集める。
・屋外立て看板を設置して地元に知ってもらう。
・イベントを開催して集客する。
・新聞折り込みチラシで広く告知をする。
・テレビCMを制作して放送してもらう。

これらは、すべて冒頭に書いた通り、「世の中の顧客に対して、
自社のサービスや商品をアピールしていく行為」という部分で「仲間」です。

もうひとつ「仲間」である要素があります。
それはタダじゃないということです。
人件費であったり、媒体費だったり、印刷費だったり、名前は違いますが、
コストがかかるのには違いありません。

結局のところ、お金(コスト)をかけてアピールをする。
そしてコスト以上のお金を回収し、利益を出すのが目的です。
つまり儲けるための投資というわけです。

何が言いたいのかというと、「どうせ儲けるための投資」をしていく
のなら、さまざまな観点から、定期的に見直しをして欲しいという話です。


「見直せって言っても、もうやってるよ」
と言われてしまうかも知れないですね。


確かに、【新聞広告に140万円を投じて、来店10人】で散々な目に
あったというレストランもあります。
儲かったのは新聞社と、広告代理店だけ・・・。
そんな話もゴロゴロ転がっています。
見直すっていっても、やれるだけの事はやったよと、皆が言います。


だからといって、打つ手が無いと考えるのは早計なのです。

広告を見直すコツには、2種類あるからです。
一つ目は、広告の反響率をアップさせるための見直しです。
ほとんど99%の会社は、その方向性で広告を見直そうとします。

しかし、別の方向性もあるのです。
「広告の反響は、今のままでも、十分に利益が出せるような仕掛けを
考えられないか?」という方向性で見直すのです。


例えばですね、
「チラシをタクシーに仕掛けた。1500枚に1件の電話があった」
それを1000枚に1件の高反応に引き上げたい。これが前者の方向性です。
そうではなくて、チラシの反響率が1500枚に1件から、
2000枚に1件と落ちても、利益が出せるようにするためには、
どんなアイデアがあるか?
これが後者であり、そうした方向性で考えてみるのも「アリ」なのです。

例えば、中古車販売の会社があったとします。その会社が広告を出しました。
30万円の広告を出して、5件の問い合わせがありました。

この場合、最低でも、5件で30万円の利益を出せなければ赤字です。
ところが、現実には5件で25万円しか利益が出せていないとします。

さて、あなたならどうしますか?

ここで仮に、広告の反響を上げる検討をするのは禁止するとします。
つまり、今の反響の範囲でビジネスをやっていくのが決まりだとすると、
どうすれば良いんでしょうか?


中古車販売会社が、自動車保険を売るのはどうでしょうか?
車は売れなくても、顧客が乗ってきた車の保険だけでも
スイッチさせられないでしょうか。

自動車以外のリサイクルビジネスは出来ませんか?
部品は売れませんか?

広告の反響をアップさせるのが難しくても、少ない顧客から最大の利益を
あげられないかと、いろいろと知恵を絞ってみて欲しいのです。


例えば、リフォームの業界でも同じです。

A社は、住宅リフォーム会社で、経営が立ちゆかないと
苦しんでいる会社です。B社も、住宅リフォーム会社ですが、
保険も、家具リサイクルも、看板設置ビジネスも、と手がけている会社です。

さて、ここに10000枚配れば1件は電話がかかってくるという
チラシがあります。
「あっ、それ、興味あります!」と手を上げるのは、
A、Bどちらの社長かは明らかです。

ただ何となく、数カ月の間、広告の反響率をアップさせる改善策を
試行錯誤するのも良いでしょう。
しかし、もしかしたら数カ月もあれば、こうした別の見直しが
完成していたかも知れないのです。

今回は、少し変わった考え方かも知れませんが、
こうした考え方もあるということを知っておくのも良いと思って
お話ししてみました。


ではまた。次回

株式会社マーケティング・トルネード
代表取締役
署名

2009年01月07日(水)更新

売上アップの扉を開ける『マスターキー』

あけましておめでとうございます。
マーケティング・トルネードの一條です。

先月から始まった弊社のコンサルタント3人によるリレーコラム。

先月17日の弊社の佐藤のコラムでは、
『既存の顧客を、ライバル会社よりも、細かいディテールまで、
 良く理解することが出来れば、顧客を探すのが上手になれる』
というお話をしてきました。

12月24日の巽のコラムでは、
『中小企業のインターネットへのチャレンジを難しくしている要因』
についてご紹介しました。

これらのコラムから、すでに業績アップのヒントを
つかまれた方もいらっしゃるかも知れません。

私のコラムでも、何らかのヒントをつかんで頂ければとてもうれしい。
そう思って ≪気合い≫ を入れてます。
どうぞお付き合いください。

さて、私のコラム第一回目。
テーマは、『 既存の事業を上昇気流に乗せる方法 』です。

実は昨年末から、

・既存事業の売上が下がった。
・お客が減った。

という理由でコンサルティングの依頼を受けることが続いています。

同じ悩みを持たれている社長さんがいらっしゃるのであれば、
ぜひ、参考にしてもらいたい。
そう思って書きます。


まず、売上が下がると利益も下がることがほとんどです。

一方で、固定費は変わらない。
スタッフさん、社員さんの生活も心配だから、人件費もカットできない。
だから何とか売上を上げなければ・・・。

その気持ちもとてもよくわかります。

では、どうすればいいのか?

ズバリ言います。

こんなときだからこそ、やみくもに新規事業に手を出すのではなく、
じっくり腰をすえて、目の前にある既存の事業を見直してもらいたいのです。

もちろん、悠長に時間をかけている暇はありません。

だから、時間はかけずに、でも、じっくりと腰をすえるのです。

具体的には、『ある人に対して』、『あるやり方で』、『ある取り組み』を
していきます。


 ■誰に対して?(Who)
   → 『すでに御社の商品やサービスを買ってくれているお客さんに』

 ■どんなやり方で?(How)
   → 『直接会って、もしくは電話で直接話して』

 ■どんな取り組みを?(What)
   → 『なぜそのお客さんが、御社から商品やサービスを買ったのかを、
      じっくり聞く』


という取り組みです。


とても大切なことなので、もう一度繰り返します。


 ■Who: すでに御社の商品やサービスを買ってくれているお客さんに、
 ■How: 直接会って、もしくは電話で直接話して、
 ■What: なぜそのお客さんが、御社から商品やサービスを買ったのかを、
       じっくり聞く。

是非、この取り組みをしてもらいたいのです。



「そんなことしなくても理由なんて、だいたい分かってるよ・・・」

という声が聞こえてきそうです。

しかし、私の経験上、この理由をスパッと答えられる会社さんは、
間違いなく業績アップを続けていらっしゃいます。


「他社でも同じような商品(サービス)があるにも関わらず、
 なぜ、御社だったのか?」
「去年でも、来年でもよかったにも関わらず、なぜ、今だったのか?」

もし御社が今、この質問にスパッと答えられないのであれば、
今すぐ、お客さんに聞いてみて下さい。

この時、質問する相手は、すでに御社の商品やサービスを
購入してくれているお客さんにすることを忘れずに。

背景にある理論は割愛しますが、人は自分がお金を払ったものに対して、
「ダメだ」という評価を下すことは、ほぼありません。

もちろん、聞きはじめは、「ここが気に入らないんだよね」とか、
「ここがもう少しこうだったらいいんだけどね」とかいう
コメントから入るお客さんもいるでしょう。
しかし、根気強く聞いていけば、同じお客さんが最後には
「うん、でも、まぁ、買って良かったと思ってるんだよね」という
コメントに落ち着きます。

それが人の心の仕組みだからです。

仮にこれまで、「お客さんにインタビューしてみたけど、
ずっとダメ出しのコメントしかもらえなかった」というのであれば、
あともう少しだけ、じっくり聞けばいいだけなのです。

だから、すでに御社の商品やサービスを購入して下さっているお客さんに、
徹底的に根堀り葉堀り、聞いてほしい。

実際に聞くべき質問はふたつです。

 質問1.「他にも同じような商品(サービス)があるにも関わらず、
      なぜ、弊社からお買い上げ頂いたのですか?」

 質問2.「去年でも、来年でもよかったにも関わらず、
      なぜ、今だったのですか?」


お客さんからの答えの中には、必ず、「はっは~ん、そういうことか!」
という部分が出てきます。

・商品を告知するのに最適な販促手法
・お客さんに商品を説明する時に最も効果的なトーク
・最も申し込みしてもらいやすいタイミング
・リピートしてもらうための、具体的な案内の仕方 などなど。

ちゃんと聞き出せれば、これらのヒントが手に入る。
これこそが、突破口。
売上アップ、業績アップの扉を開ける『マスターキー』なのです。

お客さんに質問するのに多くの時間はかかりません。
3人のお客さんに聞いたとしても、合計1日もあれば十分です。

なのに効果は絶大。

悪いことは言いません。
やみくもに新規事業に手をつける前に。
右往左往して手遅れになる前に。

まず、この質問から突破口を見つけて頂きたい。

心からそう思っています。



さて、そろそろ第1回目のコラムを終わろうと思います。

今日はここまで、既存の事業が下火になってきたときの
取り組み方を書いてきました。
次回のコラムでは、実際にこの取り組みをした企業さんの
ケーススタディーをお話ししようと思います。

もうひとつ。
今回、やみくもに手を出すべきではないとお話しした新規事業には、
実はコツがあります。
既存事業が上昇気流に乗り、新規事業も立ち上がれば、
こんなに心強いことはありません。

そこで、次々回のコラムでは、新規事業の立ち上げ方についても、お話しします。

今回の進行の都合上、割愛した心理的な背景などについても
追い追いご紹介していきます。
ご興味がある方は、こちらも楽しみにして頂ければうれしいです。

それでは今年も、御社にとって良い年になるように。
良い年にするように、頑張っていきましょう。
また次回、この場所でお会いできることを楽しみにしています。

株式会社マーケティング・トルネード
一條仁志




過去の掲載記事

2008年12月17日 『業績アップの「直球勝負」』 執筆者:佐藤昌弘

2008年12月24日 『ネットが難しくなる理由』 執筆者:巽 大平

2008年12月22日(月)更新

ネットが難しくなる理由

経営者会報ブログをご覧の皆さん、はじめまして。
株式会社マーケティング・トルネードの巽です。
今回からリレー形式で参加させていただくことになりました。
どうぞよろしくお願いいたします。

さて、私の仕事も、クライアント企業さんの業績を伸ばすためのお手伝いです。
佐藤からの案内にもありましたが、弊社には3人のコンサルタントがいます。
佐藤、一條、そして私です。

それぞれが自分の強みを生かしたコンサルティング方式を採っていて、
ご案内も各自がそれぞれ行っています。
そのため、コンサルティングの提供方法も、提供価格も三者三様。
リリース当初は、
「誰に相談を依頼すべきか、クライアントさんが迷うのではないか?」
という心配もあったのです。

ところが面白いもので、それぞれに集まってくれるお客さんの側は、
意外と住み分けがなされているようで、各々に寄せられる相談内容には、
かなりの偏りがあるようです。

私に限って言うと、セールスレターと呼ばれる販促ツールの添削依頼や、
看板・チラシ・雑誌広告などのデザイン、インフォマーシャル(情報提供型広告)や
ラジオCMなど、クリエイティブに関するご相談が多いです。

なかでも特に多いのが、インターネット関連のご相談です。
年々便利になっていくインターネットの世界ですが、いざ提供側に回ると
「何から手をつけたらいいのか、さっぱり分からない」という
ご相談をよく受けます。

厳密にいえば、「ネットに何を期待していいのか分からない」、
もっと言えば、「ネットでお客さんなんか取れるのか?」というのが、
本当のところではないかと思います。

確かに、ここ何年かの間に、インターネットの世界は急激に複雑になりました。
それはまるで、目の前に巨大な迷路が出現したかのようです。
しかし、中小企業でも実現可能で、かつ有効なインターネット活用法が
ないのかと言われれば、決してそんなことはないと思っています。


そもそも、なぜインターネットはこんなにも難しくなってしまったのでしょうか?

思えば、今からほんの10年前は幸せな時代でした。
メールマガジンを出せば簡単にモノが売れましたし、検索エンジンでの
上位表示対策だって、今とは比べ物にならないほどに簡単でした。
おまけに、オークションにモノを並べているだけで、勝手に毎日高値で
落札されていく。そんな時代が確かにあったのです。

マーケティングの世界では有名な用語に、アーリーアダプターという
言葉があります。これは、新しい技術や製品に積極的に興味を示す層のことを
表しています。こうした新しいモノ好きたちの存在があるからこそ、
量産化や低価格化などのダウンサイジングが進行していくのです。

インターネットは、アーリーアダプターたちにとって格好の遊び場でした。
それは、企業にとっても好都合なことでした。
なぜなら、インターネット黎明期にインターネットを積極利用する層は、
新しいことにチャレンジすることを厭わないユーザーです。
つまり、見込み客の大多数を占める新しいモノ好きの好奇心を満たすには、
インターネットにお店が存在するということだけで十分だったのです。

しかし、新しい取り組みに積極的な企業と、新しいモノに好意的な
ユーザーで均衡状態が保たれていた市場が、急速にバランスを崩し始めます。
ご存じのとおり、ADSLやFTTHといった通信回線の爆発的な普及です。

そのため、それまで「一部のマニアの世界」だと思われていた
インターネットの世界に、多数の追随者が参加することになりました。
そして、ユーザーの多様なニーズを満たさんがために、
インターネットは驚くべきスピードで「細分化」を起こし始めたのです。

そのため、企業はどこにどんな広告を行えば、メッセージを効果的に
届けることができるのか、わからなくなってしまったのです。
それこそが、中小企業のインターネットへのチャレンジを難しくしている
本当の理由ではないかと思います。

ただ、インターネットが複雑化した今になって、改めて思うことが
たくさんあるのです。
それは、オンラインもオフラインも関係なく、下手をすれば時代すらも
関係のない「原則」らしきものがいくつか存在するのだということです。

そこで、これからしばらくは、ホームページを持つ目的について
お話ししてみたいと思います。いまや、企業がホームページを持つことは
当たり前になっていますが、詳しくお話を聞いてみると、明確な狙いを
持ってホームページを運営している企業は驚くほど少ないのです。

なぜこのようなことが起こるのか?
それは、インターネットには、他の手段や媒体とは大きく異なる特性が
あるからなのです。
そこで次回は、この特性について掘り下げながら、企業にとっての
ホームページの役割についてお話ししてみたいと思います。

株式会社マーケティング・トルネード
巽 大平

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